第三話
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そう言って、軽く悔やむように頭をかいた黒い男に、なのはは好感を抱く。
(やっぱり、いい人なんだ。・・・でも、誰かに似てるような・・・?)
「あ、あのー。私、高町なのはって言います。」
「・・・すまないが、今は自己紹介している場合じゃない。・・・聞こえるだろう?」
「え?」
ファンファンファン・・・遠くから聞こえるのは、パトカーの音。
「結界も貼らずにあれだけ暴れたんだ。通報もされる。今すぐここから逃げたほうがいいぞ。」
破壊された道路や電柱。家の塀にも所々穴があいているし、なのはの最後の攻撃の余波によってドロドロに溶けた場所もある。深夜で寝ていた人が多いとはいえ、これだけ大騒ぎして通報されない方がおかしい。
「う、うにゃー!どうしよう!?」
自身の運動神経に自信がないなのはは、集まりつつある警察に見つからずに撤退出来るとは言い切れない。というか、この辺の家の窓から、先ほどの戦闘を見られていたら、なんと説明すればいいのだろう?と焦りまくっていた。
「・・・はぁ・・・。」
そんななのはを見て、黒い男は嘆息し・・・
「すまんが時間がない。俺が連れて行く。」
「え?」
その言葉の意味を彼女が理解する前に、なのははいつのまにか空中にいた。・・・男に抱っこされて。
「え、ええええええええええええええええ!?」
「少し落ち着け。騒ぐとバレるぞ。」
なのはを抱きしめた彼は、家々の屋根をジャンプして渡って行く。かなり近くまで警察が来ていた為、他に方法がなかったのである。
「う、ううう・・・。」
赤い顔を俯かせて、なのはは唸った。それから両者一言も喋らず、しばらく空中の旅が続く。
「・・・着いたぞ。」
シュタッと降り立ったそこは、なのはの家の前。
「・・・あれ?私の家?何で知ってるの?」
「そりゃ知ってるさ。だって・・・・・・と、その前に。」
なのはを地面に下ろし、仮面とフードに手をかけながら、彼は高町家に向かって声をかけた。
「すいません、なのはに危害を加える人間じゃないんで、出てきてもらえます?事情の説明もしますし。」
「・・・気がついていたのか。」
塀の陰から現れたのは、なのはの家族。士郎、恭也、美由希である。桃子は、万が一危険がないとも限らないので、家に避難させていた。
「え、え、お父さん、お兄ちゃんお姉ちゃん!どうして・・・?」
「そりゃ、なのはが家から出たことくらい、この人たちならすぐに気がつくだろう。」
答えたのは高町家の人間ではなく、フードと狐のお面を取り払った人物。
「え、えええええええええええええええええええええええええ!?」
伏見葵の登場に、
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