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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第60話 ヴィヴィオの想い
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だった?」
「そんな事無い!!だってなのはお姉ちゃんもバルトも………あっ………」
思わず出てしまった言葉にヴィヴィオは口籠ってしまった。
「そうなの?それなら嬉しいかな。私達の気持ち、ちゃんとヴィヴィオに伝わっていたんだね」
「なのはお姉ちゃん………」
心の底から嬉しそうな顔をするなのはにヴィヴィオは何とも言えない顔で口籠った。
「ヴィヴィオ、テメエが本当の親を欲しがる気持ち。………正直俺にはよく分からねえ。俺には親って呼べる奴はいなかったからな。だけどそれでも大事に思ってくれる奴は居た。それを失うのは自分を見失うほどキツかった。ヴィヴィオ、お前は俺やなのはを殺してその気持ちを感じずちゃんと両親に会う事が出来るか?」
「う、うるさい!!」
「会って本当に幸せになれると思うか?」
「うるさいうるさい!!」
まるで子供の様に駄々をこねるヴィヴィオ。
「そんなうるさい私達もこのままじゃいなくなるんだよ?それでも良いのヴィヴィオ?」
「いなくなる………?」
優しくあやすようななのはの言葉にヴィヴィオを深く揺らいだ。
「そうだ、お前は両親を見つけるまで1人になる。この聖王のゆりかごが動き続ければ俺達だって無事じゃ済まないだろう。もしかしたらお前の両親も無事じゃ済まなくなるかもしれない」
「そ、そんな事は無いもん!!クレインが聖王の血を持つものには害は無いって!!!」
「じゃあ俺達は駄目って事だな」
「あっ………」
バルトの言葉を聞いたヴィヴィオは自然と腕に入っていた力が抜けて行った。
「あ、あれ………?」
手を持ち上げるが先ほどの様に力が上手く入らない。
「ヴィヴィオ、もう止めよう。このままじゃヴィヴィオ両親を見つけるまで1人だよ?寂しくないの?」
「1人………?」
「ああ。お前を知っている奴はこの世界からいなくなる。そうなったらお前は誰も居ない世界で1人、本当の両親を待たなくちゃいけなくなる」
「で、でもクレイン達も一緒に………」
「待ってくれると思うか?」
バルトの問いにヴィヴィオは何も返せなかった。
「ヴィヴィオ考えてみて。………悲しくない?誰も居ない世界でヴィヴィオは1人ぼっちでずっと両親を待つんだよ?」
「やめて………」
「もしかしたらクレインの嘘かもしれない。迎えに来ないで自分で探して途方に暮れて………本当にお前の考える幸せがやってくるか?」
「やめて!!!」
そんな2人の問いにヴィヴィオは大きな声を上げて拒絶した。
「だってこうするしかないの!!2人はいずれ結婚して子供が出来たら本当の子供じゃない私なんて要らなくなる………親って言うのはそうだってクレインもイクトも!!だったら本当のお父さんお母さんが居ないと駄目なの!!」
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