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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第三章『更識簪』
第三十八話『本日は休息日和・駅前編』
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……だな」
……いきなり手詰まりか。
「大丈夫ダイジョーブ、あそこ紅茶も日本茶も、昆布茶もココアもあるから〜!」
待て、それは本当に“コーヒースタンド”なのか……?
でもまぁ、数馬の一言を聞いて、二人とも妥協してくれた様子だ。
「鈴さんは、コーヒー大丈夫でしたっけ?」
「あ、だ……、大丈夫に決まってるじゃない!」
はい、蘭への鈴の答えはダウト。お前は市販のコーヒー牛乳ぐらいしか飲めないだろ。
「とにかく、まずはそこを目指しながらブラブラするか。いつにも増して人が多いから、はぐれないようにな」
「……なんであたしに向かって言うのよ」
「お前と一夏が、一番はぐれそうだからな」
「ちょっと、それどう意味よ!?」
一夏はフラフラして目を離すとどっかに行きそうだし、鈴はこの体格だからな。
「まぁまぁ、とにかくまずは色々と見ながら楽しもうぜ」
一夏が間に入ってきたことで、鈴も不承不承、矛を収めた。
その言葉に押し出されるように、俺たちもにぎわう人の中へと歩き出した。
――――
「あの馬鹿ども、どこに行きやがった……」
少しイラつきながら、弾が辺りを見回している。
言っておいてこれである。
女子たちが和気あいあいとウィンドウショッピングを楽しむ最中、商店街の中央付近で、一夏と数馬がいなくなった。
数馬はある程度放っておいても、勝手に自分から戻ってくる。
問題は一夏だ。
あの馬鹿はフラッと消えた先で道に迷い、そこで“タイミング良く”困っている人間を見つけ、あまつさえ厄介事を請け負い、その処理に俺たちまで駆り出そうとするのが通例なのだ。
仕方なく、女子たちには先にコーヒースタンドに向かってもらい、俺と弾で元来た道を戻っているが、一考に見つかる気配がない。
既に十分以上は歩き回っている。もうすぐ駅側の入口まで戻ってしまいそうだ。
「いたっ、いやがった!」
弾が声を上げて指差した方を見ると、そこには駅側の出口あたりを、キョロキョロと見回しながら歩き回る一夏がいた。
「おい、一夏。何やってんだ、お前は!」
「あ、修夜に弾。悪ぃわりぃ」
「悪いで済むか、馬鹿。いきなり消えたからビックリしたぞ」
俺と弾が怒っているのを見ても、相変わらずの笑顔をこちらに向けてくる。
いつものことだが、どうも調子が狂う。
「実はちょっとこれを、ね」
言って一夏が差し出してきたものは、――財布。革製の長財布で、鮮やかな朱色をしている。留め具にはメッキの飾りが施されていて、見るからに高級そうな感じである。
「どうしたんだよ、これ」
「いやさ、みんながガラス細工の店を見ているときに、女の子が一人、店の前を走って行ってさ……」
一夏が言うには、商店街の中央にあるガラス細工専門店の前を、こじゃれた服装の女の子が走って行き、
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