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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第三章『更識簪』
第三十八話『本日は休息日和・駅前編』
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に応じながらも、棘のある視線を箒に向けていた。
「ほら、鈴さんも、何か食べましょうよ」
鈴の表情を見て、蘭はそこを宥めにかかる。
蘭の行動に、鈴も小さく息を吐いて
悋気
(
りんき
)
を収め、手元のメニューを覗きこんだ。
「ほら、どれも美味しそうですよね、皆さんは何にします……?」
積極的に明るく振る舞う蘭。ようやく穏やかになってきた、そのときだった。
「じゃあ〜、シュガーリングと〜、パン耳ラスクでファイナルアンサー?」
一同が、三つ目のテーブルからした声に、思わず注目した。
「ただいま〜」
そこには、商店街の中ほどで消えたはずの数馬が、さも今まで一緒に居たかのように座っていた。
「数馬、アンタどこ行ってたのよ!?」
「ちょっと顔馴染みのお店に、顔を出してきたのよ〜」
突然帰った来た数馬に驚く中で、鈴だけは特に気にも留めず問いただす。
「あの、いつ頃からいらっしゃったのですか……?」
セシリアが問うと、数馬は少し考えるような仕草をした後、何故か気だるそうに頬杖を付い高と思うと……
「『要するに、やるからには必死になれってことよ』――、ってとこから〜」
声色を変えて鈴のモノマネを交えて返答したのだった。
それを見た鈴が、怒って殴りかかろうとするのを、箒と蘭が抑えにかかったのは言わずもがなである。
結局、修夜たちが追いついたのはその十五分後であり、そこには数々のフードメニューを囲む女子たちと、その席の隅っこで財布の中身を見ながらか悲しげにうなだれる数馬の姿があった。
事情を訊ねた修夜たちだったが、本人が調子に乗って「奢る」と宣言した結果、鈴に仕返しされたと聞いて、あまり同情はされなかった。
――――
日も徐々に傾き始めた四時三十分ごろ。
駅の改札前に、俺たちは一同に介していた。
「皆さん、今日は本当にありがとうございました」
「いいえ、わたくしたちも今日は楽しませていただきました。ありがとうございますね」
礼儀正しく頭を下げる蘭に、セシリアが丁寧に応じる。
俺たちが一夏を探しているあいだに、蘭は女子たちからの話で何か得たものがあったらしい。今日会ったばかりで、早速セシリアと親交を築いたようだ。
それに対し、箒の方はどこか影が見える。明るく見せてはいるが、妙な違和感が拭えない。
「それじゃあ、俺たちはそろそろ行くわ」
寮の門限である六時三十分に、余裕をもって間に合おうと思うと、そろそろ電車に乗ってモノレールのある「学園海峡大橋駅」に向かわなければならない。
そして学園のある『IS学園前駅』にも、学生の利用は六時までという時間制限がある。
これを超えると、内申点にモロに響くらしく、場合によっては寮の“罰点”が加算される危険もある。
「また暇があったら遊びに来いよ。何なら、そっちに呼んでくれ
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