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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第三章『更識簪』
第三十八話『本日は休息日和・駅前編』
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会の喜びを分かち合う。
「だ、大丈夫か、数馬……?」
「よ……余裕っス……!」
蹴られた当人は、一夏に心配されながら、尻を突き出して倒れていた。
……さっきのばかりは擁護できないぞ、数馬。悪いが自業自得だ。
「遅れてすまない、みんな!」
「皆さんおそろいのようですわね」
寸劇もそこそこに、今日一番の目的である二人がようやく姿を現した。
「悪いな、箒、セシリア。せっかくの休みに急に呼び出したりして」
「いいさ、私も久しぶりにこっちには来たかったんだ」
「わたくしもの方も、大した予定もございませんでしたし」
食堂での昼食のあと、俺は一計を案じて箒とセシリアに連絡を入れ、急遽この場に呼び出すことにした。
休日の正午過ぎで、急な呼び出しにもかかわらず、二人とも二つ返事で快諾してくれたのには、本当に感謝したい。
「ここが修夜さんや一夏さんたちが育った町なのですね?」
セシリアは周囲を見回しながら、どこか楽しそうだ。
「あぁ、ここ十年で随分と再開発されたから、だいぶ様変わりしちまったけどな」
ISが世に広まって以降、俺たちの町は立地的にIS学園に近いのと、距離的に各周辺地域と中継地点に当たるという理由から、学園へのモノレールが通る駅への直通路線が通された。
それに際してこの駅前を中心に、この町も大々的に再開発され、今では近隣でも有数の商業地域となっている。
「そういえば、今日は拓海や紅耀はいないのか?」
箒は周りを見ながら、くーの姿を探していた。
「あぁ、今日はくーの方に予定があって、あいつは学園の方だな」
今日は一夏と二人だけで、くーは拓海と師匠とともにIS学園に残っている。
先日くーがISをはじめ、諸事の知識に通じていたことを受け、IS学園での本格的な監察が開始されることになった。それを受けてIS適性も少し詳しく調べることになり、今日はその診断の日だ。
ついでにいうと、本音も今日は予定があって来れないと、さっきの連絡で聞いている。
そうした事情を二人に説明していると、
「そこのお嬢さん方!!」
いつの間にか復活した数馬が、無駄にキザな態度で、颯爽と二人の前に登場した。
いきなり過ぎる登場に、箒もセシリアも驚いて目を丸くしている。
……まさか、これは。

「はじめまして、わたくし御手洗数馬と申します。しかし、お二人とも実に素敵だ! 片や美しい黒髪と凛としたその佇まい、片や豊かなブロンドの髪に清楚で気品あるお姿……。花だ、まさに花だ! こんな素敵な女性に巡り合えるとは、まさに奇跡! どうです、よろしければこの奇跡を祝して、今からわたくしめと優雅な午後のティータイムなどを……!」

始まりやがった……。
数馬最大の悪癖、【ナンパ癖】である。
数馬は自分の琴線に触れる女性を見ると、普段見せないような凄まじい
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