13話:零崎曲識の人間人間 トロピカルランドの戦い
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「悪くない・・・とは流石に言えないな」
零崎曲識はトロピカルランドのジェットコースターの座席の中で呟いた。
無論ジェットコースターは動いていないため、レールの上で一人放り出せれるなんて事はなかったが、曲識は転送場所に突っ込まずにはいられない。
とりあえず下げられていたバーを上げて座席から這い出る。
その際に隣の席に置かれていた自らの物と思われるデイパックを座席から引っ張り出した。
曲識はその場でデイパックをあける。名簿や地図に一通り目を通した後に中身を軽く漁ると、意外なものが目に入った。
「ほう、これは・・・」
しゃきん、と。曲識はその獲物を一度鳴らす。
「悪くない」
こんどこそ彼の口癖は決まった。
曲識が今手にしている大鋏の名は自殺志願。両儀式に支給された物とは違い、まごうことなき本物である。
「レンに届けてやるとするか」
自殺志願を自身の着ている燕尾服の内側に仕舞うとそのまま歩き出した。
支給品の中には銃もあったにも関わらず、全くの武装をしない。
というのも曲識の支給品の中には彼が武器として使用できる物、楽器が一つとしてなかった。まあ、バトルロワイアル会場で楽器が支給されることのほうが珍しいが。
しかし曲識が銃を武器として使用しない理由はそれだけではない。
殺し名である曲識は自分や他の零崎一賊、特に秘匿中の秘匿であるはずの零崎人識までいることに危機感を感じた。零崎以外にも匂宮の名まで確認できたことからこの会場には殺し名、下手をすれば呪い名。そうでなくとも暴力の世界で生きるプロのプレイヤーが多人数いると判断した。
殺し名に関わらず、プロのプレイヤーには銃器が基本通用しない。特に殺人鬼であるが故に殺気を予め探知し銃弾を避けられる零崎にはライフル銃で大分距離を取って狙撃でもしない限り銃弾が当たることはないだろう。
第一曲識はそれほど銃の扱いに慣れてるわけでもない。使い慣れない武器を無理して使うことは暴力の世界では愚策だ。
「さて、零崎を始めるのも悪くない」
ところで、曲識の中には一つ問題が残されていた。
彼は双識が自殺志願、軋識が愚神礼賛と呼ばれているように少女趣味という二つ名がある。
その由来は若き日の曲識が少女時代の哀川潤に遭遇して恋をし、それから少女しか殺さないという誓いを立てたからなのだが、彼は死ぬ直前に初恋の相手である哀川潤に再会したのだ。
つまり、少女しか殺さないという誓いを守り続ける理由はもうない。
【零崎曲識@人間シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:自殺志願@人間シリーズ
[道具]:支給品一式、薙刀@人間シリーズ、ランダム支給品二つ
[思考・状況]
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