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日向の兎
1部
13話
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れた瞬間に打ち込ませて貰いました」
「なるほど、つまりはその水全てが柔拳の攻撃そのものと言うべき特性を持っているということか。最初の攻撃は俺の注意をそこに引き付ける為で、本命はこの水だった訳だな」
「いえ、最初の攻撃を防いでくれたのでしたら、もう少し追い詰められたのですが……流石にそれは欲張りというものでしょう?」
弁財天はあくまで牽制でしかない、せいぜい当たったとしても軽度の内出血程度のダメージしか与えられない。本命はあくまで蓬莱の枝だ。
弁財天で相手の機動力を削ぎ、弱ったところを枝で倒し、直の柔拳で殺すというのが今の所の私の戦闘スタイルだ。
通常ならば手の内を明かす事などしないのだが、先生の場合は体術を主とする人だ。流石に空気を弾丸のように拳で撃ち込んでくるなんて事をされればどうしようもないが、基本は近距離に寄らねばならない。
となれば、手の内を明かして少しでも警戒させて動きを鈍らせる他ないだろう。
「ヒジリ」
「なんでしょう」
「お前が優秀なのは分かった……だから、俺もお前に応えようと思う」
……これはいい、私から攻めるには少々限度があると考えていた頃だ。
先生と私の距離は約50mおよそ数秒で詰められる距離、つまりは私のその間に打てる手は恐らくは二手。その二手で何かしらなのダメージを与えなければ、無様に敗北する他ないだろう。
先生がこちらに最短距離で駆け出すのを見る前に、私は水の布を分散させ水のリボンとでもいうような形状に変化させて先生を捉えようとする。が、まるで宙に浮いた布でも相手にしているかのように微塵も捉えれない。
残りの距離は25m、これを外せばあとは身一つで戦わなければならない。せめて一撃当てて僅かな隙を生じさせる。
「散!!」
水の布を更に細分化し、水の糸とでもいうような形状となった弁財天を先生に向かわせる。余りにも無粋だが、物量で押させてもらおう。
殆ど躱されたが、一部は確かに打ち込む事ができた。
では、博打の始まりだ。
枝にありったけのチャクラを流し、先生の回し蹴りを迎え撃つ。
「木ノ葉旋風!!」
枝と先生の脚がぶつかり合った瞬間、私は最も大事な事を忘れていた事に気が付いた。そもそも地力が違い過ぎるのだから、打ち合いなど行うべきではなかった。
結果、私はそのまま後ろに吹き飛ばされ無様に地を転がるハメになった。
「ヒジリ様!?」
「ぐっ……心配ない、受け身を仕損じただけだ」
「す、済まん!!」
先生が慌てて私に駆け寄って来たが、少々着物が汚れた程度で体の方にはダメージはない。
「先生も気になさらないで下さい……ん?」
先生が駆け寄って来た?ちょっと待ってくれ。
「先生、脚は大丈夫なんですか?」
「脚?特に何も……ああっ!?」
先生は私に言われて脚を確認
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