第4話 夢ノヨウ恋ノヨウ
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を見ていると嬉しかったわ。夢のようだった……恋のようだった……」
誰かが立ち上がる。岸本か? マキメか? 全員だ。自分以外の。
「雨」
衣擦れの音を立てて、ハツセリが立ち上がった。
「懐かしい……雨」
雨がどこに降っている? クグチはやっと身を起こした。
ハツセリがいない。誰もいない。
「ハツセリ!」
庭園の奥へ走った。ガラス扉を押し開けると、熱風が顔を叩いた。
都市に炎はあれど、都市に光はない。眼鏡をとっても、眼鏡をつけても、見える光景は同じだった。
大破したドームと、都市の遠くのほうを包む炎。
「ハツセリ!」
眼下の外階段を、ほっそりした影が下りていく。
「ハツセリ!」
ハツセリは、振り返らなかった。
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