第8話 夜の魔王か、淫獣か
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チーム結成から約1週間後、相手は1学年上のチームだったが、かろうじて勝てた。
相手チームはランキングが中位のチームだったが、こちらよりは、チーム順位は上だ。しかも6人の連携プレイにすぐれていた。たいしてこちらは4人で、前をカミト、中間に俺、後方をリンスレットとして、遊撃として自由に動ける立場としてクレアになってもらっていた。
カミトが前にですぎるんで、おさえるように声をかけていたのだが、相手はカミトをひきづりこむように動くので、しかたがなく、中間から動かないクレアをカミトのフォローに動くようにして、こちらも盾精霊使いを相性の良い雷系のチェーンで倒して、他の2人はリンスレットの魔氷の矢弾<フリージング・アロー>と氷牙の伊吹<ブレス・オブ・アイス>で半分までは片づけた。あとは4人と3人という、人数の優位性をいかして制限時間内でなんとか勝ったというところだ。
勝ったことには勝ったのだが、この1週間のチーム戦の訓練をまだ理解できていないのだろうか。
午前中の学院内公式ランキング戦のあとの昼食には、サロン・カフェで、昼食をとっている。リンスレットの作ったおかずを皆でたべながら、パンはここのサロン・カフェの物を食べている。そんな中で俺は、
「はぁ」
「なんで、ため息ついているのよ。勝ったからいいんじゃないのかしら」
「いや、リンスレットが目立ちたいのはわかっているから、目立ちたいのなら、クレアの位置を気にするよりも、最前線にでるカミトの動きにもっと、注意して動いてよ」
「クレアとの連携はよかったのね」
「以前にくらべればずっとね」
「だったら、いいじゃありませんこと」
「私だって、考えてリンスレットを守れる位置でいたのに、なんでカミトの方にいかなきゃいけなかったの」
「カミトの方に行くのは私でもよかったのだけど、引かせるだけで、元のフォーメーションに戻せるまで。その間にクレアと、リンスレットで、相手を倒せていたかしら?」
「そんなの、倒せていたのにきまっているわよ!」
「盾精霊がいたのに?」
「うー!」
「遊撃の位置にいるんだから、リンスレットの守りを考えたのも正しいけれど、普通は、単独行動させないように動いてね」
「……」
「クレアもわかったみたいだけど、一番問題なのは、カミトよ。確かにカミトは強いけれど、相手につめよれなかったら、倒せないでしょう!」
「ひこうと思ったら、攻撃されて、それで倒せそうと思ったら、横から割り込まれて……」
「それもチームプレイスタイルの一種よ。カミトは単独で戦う癖がついているみたいだから、意識してチームプレイを覚えてほしいの!」
こういいつつも、癖か、無意識におこなって行動をなおすのは難しいというのは知識としてはある。
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