第十話
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空を牛耳られては勝てる物も勝てないよ。昨日俺達がいる魔法学院も襲われた。王城が落ち、貴族の子供達を人質にされたらもう勝ち目はないだろう。俺は国よりも自分とソラ、あとついでにドクターの命のほうが大事だしね。兄上がいたような気がするが、十年もまともに会っていないんだ、もはや他人だよ」
「そうか」
その時ドアをノックする音が聞こえた。
コンコンコン
「誰だ?私に尋ねてくるような客はお主ら以外には居ないはずだが」
「…あー、もしかして」
コンコンコン
「お主の客か?」
「恐らくは…
ここは森の奥深い、幾らアルビオン軍が攻めてきたとはいえここまで来るほど暇じゃないだろ。てことは…」
ドンドンドン
自ら扉を開けようとはしないが、次第にノック音が大きくなってきた。
「お主が出て来い」
俺は逡巡の後従ってイスを立ち、ドアに近づき、未だノックされ続けているドアを開けた。
ガラ
「…やはりか」
ドアを開けるとそこには予想通りタバサが立っている。
「…お願い」
じっと俺の目を見つめるタバサ。
「アオ、ここまで来ちゃったんだし紹介くらいしてあげれば?頼みを聞くか聞かないかはドクターが決めることだし」
必死なタバサを見かねたソラがそう俺を説得する。
「…はぁ、わかったよ。紹介だけな。とはいえ君が紹介して欲しい人物の家がここなのだが」
そう言って俺はタバサを中に入れる。
シルフィードは外で留守番だ。
「ドクター」
「その子は?」
ドクターは慌ててフードを被り直した。
「ドクターがエルフである事は知っている」
「そうか」
するとドクターは被り直したフードを元に戻した。
あらわになる長い耳。
タバサは一見無表情だがやはり恐れているようだ。
俺はタバサに場所を譲り、ドクターの正面に出す。
「貴方に頼みたい事がある」
って自己紹介も無く行き成り要求からですか!
タバサさん!直球ですね!
「ほう」
「心を狂わせる水魔法薬を解毒する薬が欲しい」
「ふむ」
「貴方なら作れるだろうか」
タバサのその問いに答えるドクター。
「薬の種類にもよるが、恐らく可能だろう」
おお!さすがバグキャラですね。
「お礼はする」
いつも無表情のタバサがいつになく興奮気味に懇願する。
「お礼と言われても私は金品には余り価値を見出していない」
「ならばどんな物なら」
「知識」
「え?」
ありゃりゃ。やっぱりか。
「私はこの世のありとあらゆる事が知りたい。故に知識を求める」
予想外の答えにどうしたら良いか解らなくなってしまったタバ
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