第十話
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だがしかし、キレた俺の言葉は止まらない。
「そのままの意味だ。この原因を作ったのはルイズ達にくっ付いて回り話を捻じ曲げたお前だと言っている」
「な!?」
俺の今の言葉で気づいただろうか。
「ちょっと、ミスタ・オラン。どういう事かしら?」
キュルケが俺のその言葉の真意を聞こうと質問してきた。
「知らん。後はそいつに聞いてくれ」
そう言って俺はその場を後にする。
その後ろではルイズ達に問い詰められているマルクスの姿が見えるが知った事ではない。
城門を出て人気が無いところまでフライで飛ぼうとしてソルを起動する。
「その杖は見覚えがある」
未だ着いてきていたのかタバサよ。
「ラ・ロシェールで助けてくれたのはあなた達?」
「あ、ああ」
「フーケの時の銀色のドラゴンも貴方?」
「そうだな」
「そう」
「君に紹介出来ない理由だけど」
俺はそれ以上追及されるのが嫌で話題を変えた。
「エルフなんだよ」
「え?」
「エルフ。解っただろう?そういう訳だ。それじゃ」
そう言って俺達はフライで人の居ないところまで飛び、そこでドラゴンに変身してトリステイン・オラン伯爵領目指して飛び立った。
トリステインを上空から観察する。
あちこちで煙が上がっているのが見える。
こんな展開は俺は知らない。
ルイズ達はこの窮地をどうやって切り抜けるのだろうか?
とは言え一介の学生に何か出来る訳でもないし、俺としては国の命より自分の命が大事。
魔法の使えない平民にしてみればただ単に支配者が変わるだけでしかない。
まあ、貴族でなくなると金銭面で苦労しそうだが…
まあ、しばらくは大丈夫だろう。
小遣いをやりくり…というか貴族としての華美にあまり興味がないため殆ど遣わなかった分を幾つかに分散させて隠してあるし。
もちろんドクターの古屋にもね。
平民なら一生生活するのに困らないくらいはあるさ。
空から状況を確認すると俺はドクターの古屋へと向う。
あそこが一番安全だからね。
精霊と契約しているドクターに敵う奴なんてそう居る物ではない。
ドクターの古屋に着くと俺達は変身を解除して人型になる。
扉を開け、中に入る。
「ドクター」
「ああ、お主たちか。なにやら昨日から風の精霊が騒いでいるが、何かあったのか?」
俺とソラはイスに積みあがっている何だかわからない実験器具のようなものをどけ、スペースを作りながら答える。
「アルビオンが攻めてきたらしい。王城は今頃落ちているだろうよ」
「それは。お主らも他人事ではないのではないか?」
「船が全部やられていたのが痛い。
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