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横浜事変-the mixing black&white-
宮条麻生は少年にこの世での根本的な生き方を説いた
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は敵でした。詳しい情報は分かりませんが、八幡は彼らによって殺されたと思われます」
『彼らについての情報はこちらで収集した。ロシアからやって来た殺し屋だそうだ。その理由は分かっていない。それと』
阿久津は一度咳込んで、それから殺し屋達に敵の簡単な情報を伝えた。
『今回ヘヴンヴォイスに殺害予告を出した奴らは横浜の殺し屋達だ。普段個人営業の奴らが纏まって何をしようとしているのかは分からない。京橋会が雇っている殺し屋もその一人だそうだ』
「京橋会のデマという可能性は?」
『奴らは我々に忠実だ。武器の一部を渡している貸しも作っているんだ、嘘は付けまい』
阿久津は携帯越しに余裕の言葉を吐き出す。そのとき円の遠くにいる赤島がゆっくりと手を挙げた。「赤島さん」と大河内が彼の名前を口にすると、彼は疑問を
孕
(
はら
)
ませた言葉を吐き出した。
「そいつらって昔から俺らの事をあまり良く思ってないだろ。今頃とは思うが、まさに復讐なんじゃねえの?」
『だとしたら、外国の殺し屋はどう片付ける。まさか二つの勢力の抗争に我々が巻き込まれたと?』
「それも考えられるんじゃないですかね。少なくとも、こっちは被害を受けてる。もう他人事では済みませんぜ」
極めて落ち着いた様子で結論を口にする赤島。と、彼はそこで思い出したように阿久津に問い掛けた。
「そういや、玉木達は来ないんですか?俺らとは活動条件が違うとはいえ、少しは警戒させた方が……」
『……子猫はもうお休みの時間だよ』
阿久津は呆れた声と共に盛大な溜息を吐き出す。携帯越しでくぐもったそれが、冷たい風が吹く新港埠頭に溶け込んでいく。
そこで円の一部――チームCが固まる場所から第三者が声を上げた。「法城」と大河内が清澄な声で相手の名を呼ぶ。呼び捨てにしている事から、同期なのかもしれない。
法城と呼ばれた男は黄緑色のパーカーを月光に浮かばせながら、誰よりも大きい声で提案した。
「Dは一旦置くとして、今はチーム編成について考えた方が良いと俺は思うなあ。Aなんて、もう宮条さんとケンGしかいないじゃん」
――その語尾止めてくれないかな……。
初めて話したときから、法城だけがあの呼び方なのだ。古い芸人みたいでケンジは嫌だと思ったのだが、先輩の殺し屋に直接そんな事を言う度胸は残念ながらなかった。結局彼だけにそのあだ名が定着してしまった形となる。
しかし、今の彼の案はかなり重要だと言えた。
現状、二人の殺し屋を失ったチームAは活動出来る状態ではない。どこかと融合する必要性は否めないものとなる。
「私は法城君に賛成するわ。暁君は?」
そこで初めて宮条が口を開いた。脱出する際に「ありがとう」
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