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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第七十一話
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歩前へと出て剣を抜き、サレに向かって真っ直ぐと構えるヴェイグ。
幾らサレが弱体化しているとはいえ、ヴェイグ一人で戦うのは確実に危険だろう。だけど……今はヴェイグの言うとおり、今着実に浸食を進めているだろうラザリスを止めるためには、此処はヴェイグを信じて先に進むしかないだろう。
「……ヴェイグ、ごめん……任せたよ」
「あぁ。……衛司……お前も、『無茶をし過ぎるな』よ」
「え……」
「……スゥ……ハアァアァァァァァッ!」
僕の一言にヴェイグは剣を構えたまま小さく一度頷いた後、僕を目だけで真っ直ぐと見てそう言った。
その言葉はまるで、僕の身体の状態をわかっているかのようで僕は思わず言葉を出しかけるが、ヴェイグは一度呼吸をした直後剣を振り上げて声とともにサレに突撃した。
「っと……これはこれは……っ!」
「! 今のうちだよ、行こうカノンノ、メリア、ニアタっ!」
「う、うんっ!」
ヴェイグの突撃にサレは結晶の細剣で防ぐと、そのままヴェイグと鍔迫り合いになって建物への道が完全に開いた。僕はヴェイグとサレの戦闘開始に茫然としているカノンノ達を呼び、カノンノ達を連れて中心部の建物へと入った。
ヴェイグ……任せたよ……っ!
「──……意外だな」
「おや、何がだい?」
──衛司達が中心部の建物に入ったのを見送った直後、鍔迫り合いを離しサレから距離をとったヴェイグは剣を構え直しながらサレを真っ直ぐと見てそう言い、サレはその言葉に小さく首を傾げて応えた。
そんなサレにヴェイグは視線を逸らすことなく口を開いた。
「さっきの事だ。お前なら、俺の攻撃を避けて衛司達が進むのを止められた筈だ。……何故わざわざ通らせた?」
「おや、やっぱり気付かれてたかい。……衛司君やメリアちゃんはラザリスのお気に入りだからね、元々通すつもりだったんだ。後のカノンノちゃんとニアタ……だっけ? あの二人はいわばオマケだよ。後は……ヴェイグ、そろそろ君と決着をつけたかったからね」
ヴェイグの言葉にサレはクスリと笑うように笑みを浮かべると、建物へと一度視線を向けてそう言っていき最後にヴェイグへと視線を戻して細剣の切っ先をヴェイグに向けた。
サレのその返答を聞き、ヴェイグは真っ直ぐとサレを見たまま構える剣を握る力を強め口を開いた。
「そうか……なら、ちょうどいい。俺も、お前とは決着をつけたかったからな。それに……お前に聞いておく事もあった」
「おや、まだなんかあるのかい?でもまぁ……もし聞きたいんなら、此処からは僕を倒せてからにしたらどうだい?」
「あぁ……はじめからそのつもりだ」
お互いに見合ったままヴェイグとサレは言葉を交わり合わせ、お互い武器を握る手の力を強める。
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