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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第七十一話
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衛司は今、一回の戦闘だって危険なんでしょ……? なら、此処は私達に任せて、出来る限り闘わないようにして……」

星晶剣を抜こうとした手が、不意に伸ばされたカノンノの手に掴まれて止められる。僕が思わずカノンノを見ると、カノンノは小さく首を横に振った後真っ直ぐと僕を見てそう言った。
確かに、今の僕の状態なら出来る限り闘う回数は少ない方がありがたいけど……如何せん相手の数が数だ。向こうは見える限り少なくても十体程……それに対して此方はニアタと僕を外せばカノンノ、メリア、ヴェイグの三人だけだ。流石にあの数を三人だけに相手させる訳には……。
そう迷っていた時であった……。

「(!ふむ……主様、どうやらその心配は不要なようだ)」

「え……それって、一体……」

『──カハハッ! 困っているようだな、小僧っ!』

ウンディーネの言葉が頭の中に響き、その言葉の意味を聞こうとした瞬間、上空から高い聞き覚えのある声が耳に届き、ジルディアの民達に炎の塊が降り注いだ。突然の炎の塊の落下にジルディアの民達は対応出来ず、全てとはいかないが数体が炎に飲まれて燃えていった。
この声に炎……間違いないっ!

「まさか……イフリートっ!?」

『カハハッ! 久方振りだな、小僧よ。あの時の礼、返しにきたぞっ!』

僕の声に答えるように、僕達とジルディアの民達の間に割り込むように上空から降り現れたのは、炎を身に纏った人の上半身の姿をした者……見間違うこと無く、以前サレに操られ暴走した火を司る大精霊『イフリート』であった。
『借り』については以前の時に言っていたのは覚えてるけど……でも、どうやって此処に……。

「(それについては……実は昨日、主の身体から離れた後、ウンディーネと話し合ってイフリートをこのエラン・ヴィタールに呼ぶことにしたのです)」

「(最悪、余かヴォルトのどちらが主様の身体から離れて足止めを担当するつもりであったからな。その時に離れすぎた際に主様の身体に影響が無いかどうかの確認も込めて、余達は独断で離れてイフリートを呼びに行ったのだ。結果的に主様の身体に影響は無く、イフリートもこうやって呼べたわけであるが)」

『うむ……話はヴォルトとウンディーネから聞いている。此処は我に任せて先に行くが良い。安心せよ、小僧……お前への礼だ。此処から先は何人たりとも通しはさせんわ』

僕の疑問に頭の中でヴォルトとウンディーネの説明の声が響き、イフリートもそれが聞こえているのか一度頷くとそう言って、ジルディアの民達の前に妨害するように振り返った。
以前、暴走していたとはいえ戦ったその実力からイフリートのその姿は、自然と頼もしく見えた。

「イフリート……ありがとう」

『カハッ! お前への礼なのだ……礼をされる側ではないのだがな
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