第百七十一話
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第百七十一話 食事の後
晩御飯を食べてからだった、亜美の母は娘に対して笑顔で言った。
「後片付けも済んだし」
「今からやな」
「そや、ええな」
こう娘に言うのだった。
「はじめるで」
「うん、具体的なやり方やけど」
「それや、亜美ちゃん楽譜読めるか?」
母は娘にまずはこのことから尋ねた。
「そっちは大丈夫かいな」
「読めることは読めるわ」
これが亜美の返事だった。
「バンドやってるし」
「楽器も使ってるしな」
「そやから読めるで」
それは出来るというのだ。
「まあたどたどしいのは事実やけど」
「そやったら話が早いわ」
母は娘の言葉を聞いて笑顔で言った。
「楽譜読めたら作曲も出来るしな」
「まずはそこからやねんな」
「そうやねん、それで亜美ちゃんたちのバンドの音楽聴きたいけど」
今度はこう言った母だった。
「そっちもええやろか」
「録音のCDあるで」
亜美は母の言葉に応えて早速ポケットからそのCDを出して来た、鏡の様に顔を映し出す奇麗なディスクである。
「これな」
「ほな聴かせてや」
「いきなり作曲やないねんな」
「亜美ちゃんのバンドの音楽聴かな」
そこからだというのだ。
「どんな作曲がええかわからんしな」
「そやからか」
「作詞もや」
それも、というのだ。
「どんな曲か聴かなな」
「わからんねんな」
「何事もな。ほなええな」
「うん、聴いてや」
亜美も母に応えてだった、そのうえで。
母はその音楽を聴く用意をした、その時に亜美にあるものを差し出した。それは一体何かというと。
「お茶やねんな」
「飲みながらゆっくり聴こな」
「そやったら」
それは緑茶だった、その緑茶を受け取ってだった。
亜美はそのお茶を飲みつつ母を見た、母はもうだった。
音楽を聴く用意に入っていた、そうしてこう娘に言った。
「一通り聴いてからな」
「作詞と作曲の話やな」
こういうことになった、母はまずはクラウンの音楽をCDから聴くことにした。そのうえで作詞と作曲のアドバイスをすることにしたのだ。
第百七十一話 完
2014・9・26
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