第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
26.Jury:『Necromancer』
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、十把一絡げの凡百な『とある学校』の制服となる。
「ああん、助かりますぅ……急に絡まれちゃってぇ」
『フレンダちゃぁぁぁん?! それは洒落になんないニャアゴ!』
よよよ、と芝居を打つフレンダ、黙して従うだけの最愛。一気に周りは敵だらけに。何なら、今まで見ず知らずを貫いていた通行人までもが、此方に非難の眼差しを向けてきた。甚だ厚顔な話である。
学校帰りか、はたまた。しかし、真面目そうな黒髪ロングの少女に如何にも不真面目そうな金髪グラサンと青髪ピアス。どんな取り合わせか、と心中で首を傾げて。
『おおっとこれはこれは……ご紹介が遅れましたニャア、素敵なお嬢さん、オイラはMr.ジャーヴィスと申しますナ〜ゴ』
「なっ────?!」
だが、些末な事だ。彼にとって、全ては単純明快──ただ唯一、それが女性かその他か。それ以外には無く、また、女性には礼を尽くす以外にも無い。
真ん中の少女……随分と立派な『二物』をお持ちな、気の強そうな黒髪の少女の前に跪いての、英国騎士気取りの恭しい自己紹介。無論、フレンダと最愛に取っては、相変わらずニタニタ笑う性悪猫が少女らを小馬鹿にしている以外には見えないが。彼女らに取っては、大の男が真面目腐ってそんな事をしている訳である。
「ちょっ……いい加減にしなさいよ、貴様! 見た目で舐めてると、痛い目に!」
『そんな真逆ニャア、素敵だから素敵だと言ったまでナ〜ゴ』
ぶん、と振られた少女の学生鞄を躱す。結構な勢いだったが、知り合いの致死レベルの竹刀や張り手に較べれば児戯も児戯。合気を使うまでもなく軽く見切り、適切な距離を保つ。
「おやおや、こいつはかみやんに強大なライバル出現だにゃー」
「──煩せェンだよ、クソムシ共。口ィ業務用のホチキスで永遠に閉じてブチ殺がすぞ、ボケが」
「ああ、男に対してはSなんやねぇ……」
ニタニタと。いつも通りに人を小馬鹿にした、『猫の無い笑い』を浮かべて。道化のように軽やかに、ステップを踏みながら。目をやった先、そこに瞳を凝らして────一つ、盛大に舌打ちして。
──まぁ、こんな奴等が居るんなら。まだまだ、この都市も捨てたモンじゃねぇのかもな……。
等と。ひたすらに検討違いな安堵をしながら踵を返す。向かう先は、路地裏の影。彼の、本来の居場所。紛れ込むべき汚濁の掃き溜めであり、慣れ親しんだ場所。
ほんの数年前までの、彼のホームグラウンド。そして、今また帰った暗部。だからこそ、目立って仕方がなかったから。その瞳には、目映く映るからこそ。
「全く……だから、そう言うサイトは覗くなッつったのによォ!」
ふらふらと、正に不自然の極み。呆然自失の体で、有り得ない時間に有り得ない場所を歩いている……佐
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