第14話 中国はありとあらゆるものが雑というのは偏見だ
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アスラは身体を起こして女の人に訊いた。
「あの、ところで名前はなんていうんですか?」
女の人は答えた。
「雨《ユー》と言います」
「ユー‥‥‥‥‥‥ねぇ」
中国人なのにyou?とアスラは思ったが、そんなことはあり得ないだろう。
「どうやって書くんですか?」
雨は手の平に指で書いてみせた。
「‥‥‥‥‥‥ふーん」
いまいち理解できてないようなので雨は紙とペンを取り出して書いてみせた。
「この字は雨、そっちの言葉でrainを意味します」
つまり、彼女はこっち読みでレインちゃんとなる。
「よろしく、雨ちゃん」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
とても礼儀の正しい人のようだ。こちらに深々と礼をしている。
「‥‥‥‥‥‥あ」
アスラは自らの身にあったとんでもないことを思い出した。
「えっと‥‥‥その‥‥‥‥‥」
もにょもにょと何か話しているアスラに雨は訊いた。
「どうしたんですか?質問なら受け付けますけど」
オレは意を決して質問した。
「オレさっき君と当たったんだろうけどさ‥‥‥‥‥‥」
訊きにくいことなので、一呼吸置いた。
「どこに当たったの?」
それを聞いた雨は少し頬を赤く染めた。
「わ‥‥‥‥‥‥」
彼女は目線をそらしてから胸に手を当てて言った。
「私の‥‥‥‥お胸に‥‥‥‥‥‥‥‥」
アスラは顔が真っ赤になった。
目は焦点が合っておらず、口から言葉にならない言葉が漏れていた。
「すいませんでしたァァァァァァーーーーーーーーーッ!!!」
アスラの日本人の遺伝子に刻まれし伝説の謝罪法、DOGEZAが炸裂した。
雨は慌ててアスラに言った。
「ベ‥‥‥‥別に怒ってませんから」
「いや、でもオレ、命の恩人に対して失礼なことを」
「大丈夫ですよ、私はむしろあなたがケガしてなければ」
「本当にすいませんでしたァァァァーーーーーーッ!!!」
アスラの見事なDOGEZAは微動だにしていない。
あまりにも騒がしかったので、マリーが目を覚ました。
「う〜〜ん‥‥‥ムニャ‥‥‥‥アスラ?」
身体を起こし、辺りを見回すとそこには
DOGEZAを維持したアスラと知らない女の人がいた。
「何してるの?」
アスラはそのまま動かなくなった。
「アスラさん、大丈夫ですか?アスラさん!」
雨はアスラの肩を揺さぶった。
「気絶してる‥‥‥‥‥‥」
マリーは雨に歩み寄って言った。
「最近、アスラの調子が良くないの。しかも、さっき体力を
ほとんど使っちゃったから」
雨はアスラを背負った。
「とりあえず、ベットに運びましょう」
立ち
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