本選前
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30人の中で知らない奴はいるか?」
その質問に対してシノンはため息をついた。
「どうした?」
「どっかのムカつく光剣使いに同じことを聞かれたから・・・」
「ウチの身内が迷惑をかけました・・・」
わりと本気で謝るシオンに対してシノンは冷静に対応した。
「別にいいわよ、それでさっきの事なんだけど・・・」
シノンが挙げたのはシオンとキリト以外に、《銃士X》、《ペイルライダー》、そして《Sterben》の三人だった。
「《Sterben》・・・」
「どうしたの?」
「いや、この《Sterben》、スペルをミスってるのかな?スティーブンなら本当は《Steven》なのに・・・」
「そのわりには随分と考え込んでるじゃない?」
「《Sterben》、どっかで見たような聞いたような気がするんだよなぁ・・・」
「何それ・・・?」
「まあ、とにかくその三人のうち誰かが死銃である可能性があるってことだな・・・」
シオンがそう言うとシノンは問いかけた。
「私の事は疑わないの?」
「疑う?なんで?」
「あんた出会って一日の相手を信用するの?」
「俺は自慢じゃないが人を見る目はあると思ってる。お前はそんな人じゃねーよ」
「どうしてそこまで信用できるの?」
「だってお前・・・」
シオンは彼女の心の中枢を視るように言った。
「この前のバギーの時以外で本気で笑ったことないだろ?」
「ッ・・・!」
「それだけじゃない、お前の挙動全てにおいて何処かに振り払いたい思いがある・・・。
違うか?」
「・・・違う」
「少し間があったな、図星か?」
「私を動揺させて本選でミスらせる作戦のつもり?」
シノンの言葉にシオンは静かに首を横に振る。彼女を見つめるシオンの目は本物だった。
「まあ、深入りはしねーよ。お前の心を害したなら謝る、すまない」
シオンはシノンに謝罪をするとその場から去ろうとした。
「待って」
しかし、シオンが背を向けたところでシノンに呼び止められた。
「生き残りなさい、最後まで・・・」
「・・・当たり前だ。その言葉、そっくりそのまま返してやる」
「ふん、上等よ」
二人は僅かに笑みを浮かべながら互いに背を向けながら去っていった───
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「さて、残り一分か・・・」
俺は一人待機エリアの端の柱にもたれ掛かって開始の時を待っていた。
「“生き残りなさい”、か。また約束が増えちまったな・・・」
開始まで残り30秒、モニターに映るMCはテンション高めに開始前の
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