本選前
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俺は雫に渡された記事にもう一度視線を落とす。
予選Fブロック 優勝者《Kirito》 準優勝者《Sinon》───
あの二人が予選を突破したことに安堵しながらも、俺は思う。
『この中に、死銃おぼしきプレイヤーがいるのはほぼ間違いない・・・。あれだけ気配を消せるものが予選敗退なんてまず考えにくい・・・』
「雪羅・・・?」
『俺とキリト、シオンを除いたこの27人の内誰かが死銃ということになる。フィールドの広さは直径10km、スタートは最低でもプレイヤー同士の距離は1km。いきなりでくわすことはないが・・・』
「おーい・・・」
『それでも、いつかは戦うことになる。誰かが倒してくれるような生半可な相手じゃない、だったら・・・』
「雪羅ッ!」
「うおッ!どうしたんだよ!?」
俺の反応に対して雫は呆れた顔をしていた。
「どうしたじゃないよ、ずっと難しい顔してるから心配だったのに・・・」
「ああ、そうか。悪い、そんな顔してたなんて・・・」
「してました。もう、君がそういう顔するときは判を押したように決まってる・・・」
「えっ・・・?」
雫は俺から目をそらすように言った。
「“自分を犠牲にしてまで他人を救おうとするとき”」
「ッ・・・!!」
「別に止める気はないよ、“雪羅”が、“シオン”がそういう人間なんだってこと、分かってるから・・・」
「雫・・・」
「だから、改めて約束して。“必ず、無事で帰ってきて”、そして・・・“その手で救ってきて”・・・!!」
雫の瞳には僅かだが潤みがあった。この目は知っている、SAOでも、ALOでも、俺を送り出したり、止めようとしたときの目、そんな時でもこんなバカを信じて待ってくれた目だ。
『まったく、俺は本当に・・・』
幸福者だよ───
「ああ、任せろ・・・!」
その後、俺は雫との“約束”を胸にGGOへとダイブしていった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
シオンはGGOの総督府の近くにある酒場でアリアを待っていた。
「おまたせ」
アリアはシオンが来てから数分後に来て、彼の向かいの席に座った。
「それじゃあ、情報交換をしますか」
「ああ、まず俺からだ」
シオンは今知っている限りの情報をアリアに伝えた。死銃がSAO生還者で《ラフコフ》のメンバーであることも含めて・・・。
その事を知った後、アリアは表情を曇らせた。
「SAO生還者・・・」
「コレに関しては少なくとも確証がある。奴は俺を知っていた、名前も、動きも・・・」
「誰かは分からないの?」
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