本選前
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
決勝から翌日、俺と雫と一緒に朝食を摂っていた。何故一緒にいるかって?
事の発端は数日前に遡る。母さんが急遽海外からの依頼が入ったのだ。そこで俺の世話役を誰にするかという話になったのだ。
親父は仕事もとい、アクアの調整が忙しくそれどころではない、なら残りは?ということで雫に白羽の矢が立ったのだ。俺は大丈夫だと言ったのだが、もしもの事を考えての事だった。
そんなわけで、今は雫が家に準居候という形で俺の世話役をしている。
「「ご馳走さま」」
世話役といっても、基本的には一人でできるので高いものを取ったりする程度なのでそれほどの負担にはなっていない。
「さて、これからどうしようかな・・・アクアは親父にギミックの追加ってことで改修に出しちゃったし・・・」
「ねぇ雪羅、コレ・・・」
「ん?」
雫がさしだしたのは昨日のBOBの予選トーナメントの結果が載った記事だった。
「予選トーナメントEブロック優勝者《Shion》、準優勝者《Alia》ねぇ・・・。キャラネーム出るんだな」
「このアリアって、強かったの?」
「ああ、かなり、っと・・・」
俺がアリアについて話そうとした時、丁度着信が入った。
「噂をすれば影、だな」
「・・・?」
俺はスマホをテレビ電話に切り替えて応答した。
「よう、昨日ぶりだな」
「ハーイ、雪羅♪それと雫ちゃんもいるのか、こんにちは♪」
「シエルちゃん!」
「さっき言おうとしたんだが、そのアリアがシエルなんだ」
「えっ!?そうなの?」
画面越しにシエルはあの独特のVサインを見せると
「そうなんだよね〜♪」
「で、一体何の用だ?まさか『優勝おめでとう』なんて冷やかしに来たんじゃないだろうな?」
「もしそうだったら?」
「今すぐこの電話を切る」
「それは勘弁かな・・・」
俺の真顔の返答にシエルは冷や汗が出る。どうやら冷やかしじゃないことを理解し再び尋ねる。
「それで?何の用だ?」
「死銃の事なんだけど・・・」
死銃、その言葉に俺は眉間にしわがよる。
「私も実はそのことで調べてるんだ、なにか情報はある?」
「あるにはあるが・・・」
シエルは画面越しに何かを感じ取ったらしく、今は追及しなかった。
「わかった、情報は向こうで聞くよ」
「ああ、すまないな」
「いいよ、それじゃあ向こうでね♪雫ちゃんもバイバーイ♪」
「あ、うん・・・」
その後電話は切れ、通話終了の文字が画面に残る。
俺は頬杖を着いてはため息をつく。
『まさかシエルまで死銃を調べていたとは・・・。まぁ、画面から突然胸を押さえて消えればそりゃ誰だって気になるか・・・』
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ