第1部 ゼロの使い魔
第7章 トリステインの武器屋
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なもんでさ」
主人は手をひらひらと振りながら言った。
ルイズは財布を取り出すと、中身をカウンターの上にぶちまけた。
金貨がジャラジャラと落ちる。
主人は慎重に枚数を確かめると、頷いた。
「毎度、どうしても煩いと思ったら、鞘に入れれば大人しくなりまさあ」
ウルキオラは頷いて、デルフリンガーという名前の剣を手に入れた。
武器屋から出てきたウルキオラとルイズを見つめる2つの影があった。
キュルケとタバサである。
キュルケは、路地の陰から2人を見つめると、唇をギリギリと噛み締めた。
「ゼロのルイズったら……。剣なんか買って気を引こうとしちゃって……。私が狙ってるってわかったら、早速プレゼント攻撃?なんなのよ〜!」
キュルケは地団駄を踏んだ。
タバサはもう自分の仕事は終わりだとばかりに、本を読んでいる。
ウィンドドラゴンのシルフィードは高空をぐるぐる回っている。
難なくルイズの馬とウルキオラを見つけた一行は、ここまで後をつけてきたのだ。
キュルケは、2人が見えなくなったあと、武器屋の戸をくぐった。
主人がキュルケを見て目を丸くした。
「おや!今日はどうかしてる!また貴族だ!」
「ねえ、ご主人?」
キュルケは髪をかきあげると、色っぽく笑った。
むんとする色気に押されて、主人は思わず顔を赤らめる。
色気が熱波として、襲ってくるようだ。
「今の貴族が、何を買っていったかご存知?」
「へ、へえ。剣でさ」
「やっぱり剣ね……。どんな剣を買っていったの?」
「へえ、ボロボロの剣を一振り」
「ボロボロ?どうして?」
「男の方が自身で選んだので。へえ」
キュルケはなんでわざわざボロボロの剣を…と考えていると、主人が商売のチャンスだとばかりに身を乗り出した。
「若奥様も、剣をお求めで?」
「ええ、見繕ってくださいな」
主人は揉み手をしながら、奥に消えた。
持ってきたのは立派な大剣だった。
「あら、綺麗な剣じゃない」
「若奥様、さすがはお目が高くいらっしゃる。何せこの剣を鍛えたのは、かの高名なゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿で、魔法がかかっているから鉄だって一刀両断でさ。ごらんなさい、ここにその名が刻まれているでしょう?」
キュルケは頷いた。
「おいくら?」
主人は、キュルケを値踏みした。
どうやら先ほどの貴族より羽振りはよさそうだ。
「へえ、エキュー金貨で3000、新金貨で4500」
「ちょっと高くない?」
キュルケの眉が上がった。
「へえ、名剣は、釣り合う黄金を要求するもんでさ」
キュルケはちょっと考え込むと、主人の顔
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