第1部 ゼロの使い魔
第7章 トリステインの武器屋
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貴族の間で、下僕に剣を持たすのがはやってる?」
ルイズは尋ねた。
主人はもっともらしく頷いた。
「へえ、なんでも、最近このトリステインの城下町を、盗賊が荒らしておりまして……」
「盗賊?」
「そうでさ。なんでも『土くれ』のフーケとかいう、メイジの盗賊が、貴族のお宝を散々盗みまくってるって噂で。貴族の方々は恐れて、下僕にまで剣を持たせる始末で。へえ」
ルイズと店主が世間話をしていると後ろから声が聞こえた。
「おでれーた。まさか俺に気づくとは」
その声にウルキオラが驚いた。
「妙な剣だと思っていたが…まさか喋るとはな」
ルイズはその剣を見て店主に尋ねた。
「あれって、インテリジェンスソード?」
「そうでさ、若奥様。意志を持つ魔剣、インテリジェンスソードでさ。いったい、どこの魔術師が始めたんでしょうかねえ、剣を喋らせるなんて……。とにかく、こいつはやたらと口が悪いわ、客にケンカは売るわで閉口してまして……。やいデル公!これ以上失礼があったら、貴族に頼んでてめえを溶かしちまうからな!」
「おもしれ!やってみろ!どうせこの世にゃもう、飽き飽きしてたところさ!溶かしてくれるんなら、上等だ!」
「やってやらあ!」
主人が歩き出した。
しかし、ウルキオラはそれを遮る。
「やめろ。喋る剣とは面白い」
まじまじと剣を見つめた。
「デル公と言うのか?」
「ちがうわ!デルフリンガーさまだ!覚えておきやがれ!」
「名前だけは一人前でさ」
「ウルキオラ・シファーだ」
そう言って剣をとった。
すると、デルフリンガーは驚いたように言った。
「てめ、何もんだ…人間…じゃねーな…それにこの魔力…」
デルフリンガーは少し黙り込んだ後言った。
「まあいい。てめ、俺を買え」
「そのつもりだ」
ルイズの方に振り向く。
「ルイズ…これだ」
ルイズは嫌そうな声をあげた。
「え〜。そんなのにするの?もっと綺麗で喋らないのにしなさいよ」
「使うのは俺だ。それに…」
ウルキオラはデルフリンガーに霊力を流す。
すると、デルフリンガーは震えた声で言った。
「お、おお…思い出した思い出した…おめえさんほんと何もんだ」
デルフリンガーがそういい終えると、先ほどまで錆だらけだった刀身がピカピカになっていた。
ルイズと店主は驚いている。
「これなら問題なかろう」
「こりゃおったまげた…何をしても落ちなかった錆が…」
ルイズは納得したのか、主人に尋ねた。
「あれ、おいくら?」
「あれなら100で結構でさ」
「安いじゃない」
「こっちにしてみりゃ、厄介払いみたい
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