第1部 ゼロの使い魔
第7章 トリステインの武器屋
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と、質素ななりの人間が多かった。
道端で声を張り上げて、果物や肉や籠などを売る商人たちの姿があった。
のんびり歩いたり、急いでるやつがいたり、老若男女取り混ぜ歩いている。
「狭いな」
「狭いって、これでも大通りなんだけど」
「 これでか?」
道幅は5メイルもない。
そこを大勢の人が行き来するものだから、歩くのも一苦労である。
「ブルドンネ街。トリステインで1番大きな通りよ。この先にトリステインの宮殿があるわ」
「王でもいるのか?」
「ええ、女王陛下がいるわ」
「そうか」
道端には露店が溢れている。
奇妙な形のカエルが入った瓶を見つめていたら、ルイズが言った。
「ほら、寄り道しないで行くわよ」
ルイズの後を追って歩き出した。
狭い路地裏に入った。
悪臭が鼻をつく。
ゴミや汚物が、道端に転がっている。
「不潔だな」
「だからあんまり来たくないのよ」
四辻に出た。
ルイズは立ち止まると、辺りをきょろきょろと見回した。
「ピエモンの秘薬屋の近くだったから、この辺なんだけど……」
それから、1枚の銅の看板を見つけ、嬉しそうに呟いた。
「あ、あった」
見ると、剣の形をした看板が下がっていた。
そこがどうやら、武器屋であるらしい。
石段を上り、羽扉をあけ、店の中に入った。
店の中は昼間だというのに薄暗く、ランプの灯りが灯っていた。
壁や棚に、所狭しと剣や槍が乱雑に並べられ、立派な甲冑が飾ってあった。
店の奥で、パイプをくわえていた50がらみの親父が、入ってきたルイズを胡散臭そうに見つめた。
紐タイ止めに描かれた5芒星に気づく。
それからパイプをはなし、ドスの利いた声を出した。
「旦那。貴族の旦那。うちはまっとうな商売してまさあ。お上に目をつけられるようなことなんか、ありませんや」
「客よ」
ルイズは腕を組んで言った。
「こりゃおったまげた。貴族が剣を!おったまげた!」
「どうして?」
「若奥様。貴族は杖を振ると相場は決まっておりますんで」
「使うのは私じゃないわ。こいつよ」
「そうでしたか」
主人はウルキオラをじろじろと眺めた。
「剣をお使いになるのは、この方で?」
ルイズは頷いた。
「私は剣のことなんかわからないから。あんた、選びなさい。」
ウルキオラに向かって言った。
ウルキオラは先ほどから妙な剣があるのに気づいていた。
そんなウルキオラをよそに主人は思い出したように言った。
「そういや、昨今は宮殿の貴族の方々の間で下僕に剣を持たすのが流行っておりましてね」
「
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