第六章 正義の在り処編
第百八十五話 『罪の償いの仕方。そしてモリアとは…』
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も同様であるようで目が訴えてきていた。
しかし、今言わなくてもいずれは立ち向かわなければいけない問題だ。
嫌われ役は誰かがやらなければいけない。この程度なら過去の経験から慣れているから問題はないし。
それを思えばしっかりと理解して黙っているティアナやなのは達は良い方ね。
だから、
「たしかにそうね。でも、リオンはもう犯罪者としてのレッテルが貼られている。だから今のうちに決断はしておいた方がいいわ。でないと、これからの新たな人生の一歩すらも歩き出せないで停滞してしまうから………」
私がそう言うとスバル達は渋々とだがわかったらしく、悔しそうに、でも我慢するように言葉を慎んだ。
それを見計らってなのかリオンが小さい声で、しかし、しっかりと聞こえるように話し始める。
「………管理局には、出頭するつもりです。でも、それ以降の事は考えていません」
「考えていない………? それってどういう事か聞いてもええか?」
「……………」
はやてが聞くがそこでリオンはまた沈黙して俯いてしまった。
それになにかを感じたのか、なのはが少し厳しい感じの声で話しかける。
「………もしかして、リオンさん。あなたは死んで罪を償おうとか考えていない、よね?」
「ッ………!」
なのはの考えは、どうやら当たっていたのだろう。
リオンは目を見開いて今にも泣き出しそうな表情になる。
それにスバルとティアナは驚愕の表情と瞳をして、
「リオン………? それ、本当なの?」
「嘘、よね………?」
スバルとティアナは信じたくないという感じで、嘘であっていてという気持ちなのだろう、リオンにそう問いかける。
それにリオンは辛そうな顔をしながらも、
「………私は、生きていちゃいけない存在なんです! たとえモリアの命令だったとしても、私は、この手で………たくさんの人の命を奪ってしまった………。
私はスバルやティアの横に並び立てるような立派な人間にはもう、なれないんです………!
この手は………もうたくさんの血を浴びてしまっているんです!
こんな、こんな私なんかいっそ死んだほうが………ッ!」
パンッ!
室内に頬を叩く音が響く。
誰がやったのか? わかっている。
私が叩いたのだから。
それで私に叩かれた頬を押さえているリオンを含めた全員の視線が私に向けられてきていた。
「………そう簡単に死んだ方が、なんて言わないで。
あなたはまだ殺めた人に対して涙が流せる………。
罪の償い方の考えは共感できないけど、罪を自覚して償おうとは考えている。
だからもっと前向きに考えなさい」
「前向きに………?」
「そう。殺めた人の分の命も生きて、生き続けて罪を償っていくのよ」
そう。私もリオンと同じで過去にたくさんの人
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