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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
序章
01話 桎梏の矜持
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でしょう。』
『分かった―――土佐七守護の勇名知らしめよッ!!!』

『承知っ!!』


 2年近く地獄を共に戦い抜いた紅の軍服を纏う上官に応える。彼も斯の死地に紅の瑞鶴を駆って戦っているのだ。
 (おれ)たちが駆っているこの不知火壱型丙と違い、第1.5世代機に過ぎない瑞鶴でだ。

 自らが使える主の窮地に馳せ惨状出来ない歯がゆさは押して計り知れない―――ならば、(オレ)たちが行うしかない。

『ドラゴンホース1より中隊各機へ―――聞いてのとおりだ。』

 2年前のあの日…BETAを四国に引き込む事で帝都への進撃を抑えようとしたが、結局あっという間に四国にBETAは浸透し、四国の人類圏は20%以下にまで追い詰められた。
 そこまでの犠牲を払ったというのにBETAは僅か一週間で京都へと侵攻し、多大な犠牲を出した。


 其れから何度の戦地を潜り抜け、何人の部下を失っただろう。
 部下の屍を積み上げた先にはお為ごかしの為の昇格だった―――部下を、守るべき民草を死に追いやって何が土佐七守護に連なる者か……!!

 所詮、自分はこの身に纏う漆黒に相応しく武士のもどきでしかないというのか……!
 そんな憤りを胸に只管機体を繰り戦ってきた。

 そんな中、己の半身とも言うべき愛機、瑞鶴はついにその寿命を擦切って動かなくなった。
 そんな時だ、発注キャンセルが目前であったが、予想を圧倒的に超える損耗から追加生産されたこの機体、不知火壱型丙と出会ったのは。

 元より戦域展開を予想されていなかった四国には不知火のような第3世代機は元よりF-15J陽炎のような第二世代機すら配備されていなかった。
 操縦特性の根本的に異なる機体を行き成り乗りこなせる衛士なんぞそうそういる訳もなく、そのお鉢が自分に回ってきたのはある意味必然であった。

 其れからは、斯の壱型丙を愛機としつつ明星作戦、四国奪還作戦、そしてこの出雲奪還作戦と多くの死地を共に戦いぬいてきた。
 だが、渡った戦場の数を重ねるたびに部下の死を積み重ねるだけの日々――

 其れを支えたのは、武家に在らずとも“武士の血を引いている”というちっぽけな矜持と、“例え敗者で在っても強者でありたい“という見っとも無い思いだった。


『――個体数二万超のBETAが美保湾に上陸、米子のHQが壊滅した。
 指揮系統の壊滅により恐慌状態に陥った帝国軍の御盾となりて嵩宰恭子様率いる斯衛軍第三大隊が踏ん張っているが―――如何せん彼我戦力差が大きすぎる。
 いいか!摂家の方――しかもあの雷神の鬼姫の救援などという栄誉!末代まで誉れぞ!』


 己からの通達を聞いた不知火たちのセンサーアイが戦意を表すかのように輝きを灯した。


『土佐七守護に連なりし武士(
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