三話:黒猫拾いました
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にゃ。昨日はあんなに優しく抱いてくれたのに……。」
手で顔を覆って悲しそうに俯く美女……。
……え?俺いつの間にか大人の階段を上っちゃってたの!!?
嘘だろ……全く覚えてないぞ?初めてぐらい覚えてないとまずいんじゃないのか!!?
しかも見ず知らずの女性となんて……
ああ、どこからか兄さんが『ルドガー…兄さんはそんな風に育てた覚えはないぞ!!』
て、言っている気がする……ごめん、兄さん。出来の悪い弟で……。
「傷だらけの私を抱いてくれて手当までしてくれたのに……忘れるなんてひどいにゃ。」
ん?傷だらけ?手当?………まさか!!
「あの黒猫なのか!!?」
「ようやく気づいてくれたにゃ。」
いやいや、普通は気づかないだろ!!!
第一、拾ってきた黒猫が次の日に美女になるとかビ○ォーア○ターもビックリの
変わりようだろ!!!??というかむしろ別人だろ!!!!!
はあ…はあ…まあ、いい。取りあえずこの美女が昨日の黒猫だというのは分かった。
今はそれよりも気になることがある。
「黒猫なのはわかったけど、どうして裸なんだ?」
裸を決して見ないように背中を背けながらそう尋ねる。
「私は裸じゃないと寝られないから脱いでるだけにゃ。」
「そ、そうか、じゃあ俺が何かしたわけじゃないんだな?」
「少し女のプライドに触るけど、別に何もされてないにゃ。」
ふう、よかった。俺はまだ大人の階段を上っていなかったんだな。
これで一先ずは安心だ―――っ!!!??
な、何なんだ!?この背中に当たる柔らかい二つの感触は!!!??
「助けてくれたお礼に触らせてあげてもいいにゃん♪」
「結構です!!!」
勢いよく飛び去り美女から離れる。
べ、別に後悔なんかこれっぽっちもしてないぞ?本当だ。
「にゃはははは!!!面白い子にゃ。」
「くうぅ……。」
俺は人にいじられるのがデフォルトなのか?
何だかミュゼにも似たようなことをされてからかわれていたような気が……
いや、気にしてもしょうがないな。強く生きる、それだけだ!!!
「ところで、名前を教えてくれないかにゃ?今のままだと呼びづらいにゃ。」
「それもそうだな……俺は、ルドガー、ルドガー・ウィル・クルスニクだ。」
「私は黒歌にゃ、よろしくにゃ、ルドガー。」
「ああ!!」
爽やかに自己紹介しているように見えるが俺は黒歌が裸なので
黒歌の方を全く見ていない。はたから見たら黒歌が俺の背中に自己紹介している
という何ともおかしな光景に見えるだろう。
これは断じて俺のせいではない!!裸でいる黒歌のせいだ!!!
そうだと言ったらそうだ!!!!
「ルドガー、私、お腹が減ったにゃ。」
「はあ……わかった。すぐに朝ごはんを作るから待
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