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【神為る土地で】神話伝承相続権
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かもユミルの解体は徹底的であり、脳みそや脊髄、果てはその死体に沸いた蛆虫までもが三神によって世界の一部に変えられている。最早それは鯨かマグロの解体の如く。死ぬために生まれた様なものである。
恐らく巨人としては強い筈だが、なんだか強いイメージがない。
「貴方たちは、私を見捨てないでいてくれる……?」
「見捨てませんとも。仲間として強く生きましょう、共に」
「寧ろ俺っちを見捨てないで欲しいところだぜ!」
「……仲間。良い響き」
か細い声でそう言った荒音さんは、小さく微笑んだ。
美人で綺麗なのだが、どこか幸薄そうに見えるのは気のせいだと思いたい。
そして最後の一人。これまた女性だ。荒音さんとそう歳は離れていないと思うが、この飲み会の場にジャージでやってきてビールをごくごく煽っている辺りに残念感が漂っている。
「ぷっはー!やっぱりビールは美味い!すいませーん!生おかわり!!」
「おいおいちょっとおねいさんよー、飛ばし過ぎじゃないのー?」
「既にジョッキで5杯。なかなかの大酒飲のようですね」
「ちょっと……沙菜ちゃん……」
「んー?何ー?」
「沙菜ちゃんの番……」
「…………ああ!ごめんごめん!割り勘だと思うとついついお酒が進んじゃって!ほら、今月ピンチだからさ!……げーっぷ!」
「うわ汚っ!!」
訂正、全面的に残念感が漂っている。あと親父臭とビール臭も。古畑さんもこれには苦笑いだ。
赤馬沙菜。どうやら荒音さんは最初から友達だったらしいが、二人の性格は見事に対照的に見える。
「えっとえっと、私が何の力を貰ってるかって話だっけ?」
「そうそう。実際、何の力なの?」
「あのね……ヨハネ黙示録、第二の騎士なのだ!!」
「というと……なんだよ?」
ヨハネ黙示録など読んだこともない俺はピンとこない。
困っていると、荒音さんが注釈してくれた。
「ヨハネ黙示録に登場する……人の世に終末を告げる四騎士の一人。四騎士は……それぞれ、人の世界の四分の一を支配する権利を得て……それぞれが、人間を殺す権利を……持つ」
「最後に凄い怖い子来たぁぁぁーーー!?」
このメンバー内で唯一妙に明るいと思ったら、まさかのものすごく物騒なお方だった。
さらに古畑さんが追撃。
「第二の騎士と言えば……確か戦争を司り、一説によれば内乱を引き起こすとか……」
「そーなんだよねー。騒乱の騎士なんだよねー……いやマジで一人は不安だったからこういう集まりがあって助かるわー!」
「すげえ縁起悪い!!この女この上なく縁起悪いよ!!」
喧嘩を『吹っ掛ける側』としてはこの上なく適任な上に、よりにもよってチームで動くのに内乱を司るというあり得ないレベルの疫病神加減だ。早速この集まり崩
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