暁 〜小説投稿サイト〜
『八神はやて』は舞い降りた
第4章 戦争と平和
第33話 お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
致しており、驚くほどスムーズにトップ会談が実現した。


「きっかけが、戦争を望んだコカビエルのせいだというのは、皮肉よね」


 堕天使コカビエルは、天使陣営の教会から聖剣エクスカリバーを強奪し、悪魔のグレモリー眷属に敗れた。
 見事に、堕天使・天使・悪魔の三大勢力が関わっている。
 事件の終息に向けた交流が、呼び水になったのは間違いない。
 会談予定の場所は、駒王学園。
 一連の事件の関係者として、リアスたちも立ち入りするように要請されている。


「戦争の恐れがなくなれば、少子化の問題も解決が容易になることは間違いない。悪魔は、さらなる発展の段階にすすめるはず」


 実に、喜ばしいことだ。
 しばらくの間は、ぎくしゃくするだろうがトップが協力すれば何とかなるだろう。
 ただし、やはり反発する者も多い。
 コカビエルが残した言葉は、正しいのだ。
 これからは、戦争を望むものたちの企みに注意を払う必要がある。
 

「どうしたものかしらね……」


 もういちど、嘆息する。
 リアスたちは実力をつけ、悪魔陣営の希望もみえてきた。
 すべては、順風満帆と言っていいだろう。
 だが、ため息が止まらない。なぜなら、


「――――八神はやて。貴女は何を考えているの?」


 レーティングゲームの一件もあり、リアスは、なるべくはやて達と親しくなろうとした。
 ライザー・フェニックス戦で見せた実力。グレモリー眷属を鍛えた能力。
 いまの自分たちの強さは、八神家の協力があってこそ、だとリアスは理解している。
 とはいえ、いろいろと気にかけてはいたが、成果は芳しくなかった。
 不仲というわけでもない。


 ゆえに、時間をかけてゆっくりと仲良くなろうと考えていた。
 しかし、最近、彼女たち八神家の動きが気になる。
 具体的に何が気になるのか、と問われても答えられない。
 どうも胸騒ぎがするのだ。
 とくに、コカビエルの一件の前後から、動きが妙だ。
 意図的にこちらを避けているようにみえる。
 ものは試しと、駒王協定への参加を要請したが。


『客人がでしゃばるべきではない』


 と、にべもなかった。


「そういえば、アーシアが相談しにきたことがあったかしら。笑って、気にしないように、と答えたけれど――まさか、ね」


『はやてさんが、急に余所余所しくなった理由に心当たりはありますか?』


 アーシアは真剣な表情で尋ねてきたが、彼女がグレモリー眷属になる前から、はやてとリアスは、適度な距離感を保っていた。
 アーシアを助けるために深く関わったが、これは例外と言える。
 だからこそ、心配ないと諭したのだ。けれども――――


―――
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ