第4章 戦争と平和
第33話 お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ
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致しており、驚くほどスムーズにトップ会談が実現した。
「きっかけが、戦争を望んだコカビエルのせいだというのは、皮肉よね」
堕天使コカビエルは、天使陣営の教会から聖剣エクスカリバーを強奪し、悪魔のグレモリー眷属に敗れた。
見事に、堕天使・天使・悪魔の三大勢力が関わっている。
事件の終息に向けた交流が、呼び水になったのは間違いない。
会談予定の場所は、駒王学園。
一連の事件の関係者として、リアスたちも立ち入りするように要請されている。
「戦争の恐れがなくなれば、少子化の問題も解決が容易になることは間違いない。悪魔は、さらなる発展の段階にすすめるはず」
実に、喜ばしいことだ。
しばらくの間は、ぎくしゃくするだろうがトップが協力すれば何とかなるだろう。
ただし、やはり反発する者も多い。
コカビエルが残した言葉は、正しいのだ。
これからは、戦争を望むものたちの企みに注意を払う必要がある。
「どうしたものかしらね……」
もういちど、嘆息する。
リアスたちは実力をつけ、悪魔陣営の希望もみえてきた。
すべては、順風満帆と言っていいだろう。
だが、ため息が止まらない。なぜなら、
「――――八神はやて。貴女は何を考えているの?」
レーティングゲームの一件もあり、リアスは、なるべくはやて達と親しくなろうとした。
ライザー・フェニックス戦で見せた実力。グレモリー眷属を鍛えた能力。
いまの自分たちの強さは、八神家の協力があってこそ、だとリアスは理解している。
とはいえ、いろいろと気にかけてはいたが、成果は芳しくなかった。
不仲というわけでもない。
ゆえに、時間をかけてゆっくりと仲良くなろうと考えていた。
しかし、最近、彼女たち八神家の動きが気になる。
具体的に何が気になるのか、と問われても答えられない。
どうも胸騒ぎがするのだ。
とくに、コカビエルの一件の前後から、動きが妙だ。
意図的にこちらを避けているようにみえる。
ものは試しと、駒王協定への参加を要請したが。
『客人がでしゃばるべきではない』
と、にべもなかった。
「そういえば、アーシアが相談しにきたことがあったかしら。笑って、気にしないように、と答えたけれど――まさか、ね」
『はやてさんが、急に余所余所しくなった理由に心当たりはありますか?』
アーシアは真剣な表情で尋ねてきたが、彼女がグレモリー眷属になる前から、はやてとリアスは、適度な距離感を保っていた。
アーシアを助けるために深く関わったが、これは例外と言える。
だからこそ、心配ないと諭したのだ。けれども――――
―――
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