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魔法少女リリカルなのは〜"死の外科医"ユーノ・スクライア〜
本編
第九話
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ない』とね」
「・・・えっ?」
「私はね、フェイト・テスタロッサ。生まれた時からずっとこの渇きに苦しんでいるのだよ」
「渇き?」
「そうだ、渇きだ。どれほどの知識を満たそうが、どれほどの物を手に入れようが、私のこの渇きは収まることがないのだよ。まるで、胸の真ん中にぽっかりと大きな穴が開いたみたいに、何をしても満たされることのない虚しさ。自らの内側から溢れる衝動のままに、世界の全てを手中に収めれば、この虚しさも少しは満たされるかと思ったのだが、いつもと変わらず、少しもこの心が高揚することはなかった」
3人はスカリエッティの言葉に耳を傾けていた。
初めて本人から語られる、あれほどの事件を引き起こした動機。
多くの人間が彼を狂人と決めつけ、なぜ彼がJS事件を引き起こしたのかには興味も抱かなかっただろう。
最高評議院が生み出した悪の意志。
『管理局の悪であれ』と生み出された彼の心を、誰も理解できないと決めつけていただろう。
だが、彼も人間である。
その心の一端に触れられた、初めての瞬間であった。
「そんな時に私は君に出会ったのだよ」
「私?」
「そう。その美貌もさることながら、極限の状況で挫けそうになっても、なお私の下に向かってきた意志の強さ。素晴らしい!!有象無象ではなく、この世で二つとない至高の逸品を手に入れてようやく、私の渇きは満たされる!!」
そのスカリエッティの狂気に染まった瞳に3人は言葉をなくす。
『ご来賓の皆様!!大変お待たせしました!!』
その時、会場のアナウンスが鳴り響き、次の商品が登場した。
だが、その商品に彼女たちは言葉をなくしてしまった。
なぜなら・・・。
『続きましてはカタログナンバー21番、次元犯罪者、アレク盗賊団団長「ジョナサン・アレクサンダー」です!!』
今までの盗品や違法薬物などと違い、『人間』が商品として登場したてめである。
「なっ!?フェイト隊長、あれって!?」
「何を驚く必要がある?このオークションでは人間すら立派な商品となっているのだよ」
「そ、そんな!?」
「歴史を紐解けば簡単に予想がつくものだよ。『人類平等』だの『奴隷廃止』などと言った考え方は本当に近代の考え方。むしろ、いまだに、奴隷の文化が残る世界の方が大多数なのだよ」
「だからと言って、こんなことが許されていいはずがない!!」
「まあ、それはただ単に君たちは運が良かっただけに過ぎん。生まれた世界如何では、ああなっていた可能性だってあったのだよ。君も私もね」
「っく!?」
納得できない顔を浮かべるティアナ。
それは他の2人にも言えることだった。
特に騎士道を重んじ、人の尊厳を尊重するシグナムには、例え犯罪者と言えども、『これが人間に
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