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魔法少女リリカルなのは〜"死の外科医"ユーノ・スクライア〜
本編
第八話
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で盗難届が出ている品だってあるんだ。管理局員(あたしたち)の目の前で、広域次元犯罪となれば、十分逮捕権が発生するからな」
「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」

気合十分に返事をするフォワード陣。

ちなみに、なのははディエチやヴァイスとともに、隣のビルから狙撃の準備をしている。

(なのは。そっちは大丈夫か?)
(うん。三人ともいつでも撃てるよ。)
(そうか。外から見て怪しげな人影は?)
(うーん・・・特にないかな?他の二人も何か気付いた様子はないし)
(分かった。何かあったら、すぐ知らせてくれ)
(了解)
「・・・・・」
「どうしたんだ?チンク?」

なのはと通信を終えたヴィータは、突入に備えているフォワード陣から離れ、重い表情を浮かべているチンクの存在に気付いた。

「ヴィータ副隊長・・・作戦前にこんなこと考えるのは不謹慎だというのは分かっているつもりだが・・・でも・・・」
「奴らに対して後ろめたい気持ちがある・・・か?」
「・・・ああ。私は姉を、ドクターを裏切ったのだからな」
「だけど、間違っているのはアイツらの方だ!!お前たちはその間違いに気付き、正しい道を進もうとしているだけじゃないか!!気にするようなことじゃねえよ!!」
「・・・・・実を言うと、本当ならば、私も最初は厚生プログラムを受けるつもりはなかったんだ」
「っ!?どういうことだ!?」

初めて聞かされた衝撃の事実に、思わず聞き返したヴィータ。

「私が厚生プログラムを受けたのは、妹達やお嬢様が心配になってな・・・クアットロ以前の姉たちとドクターは死んでも管理局には協力しないことは分かってたし、逆に、セッテ以外の私より下の妹たちはドクターのやり方に疑問を持っていたことも知っていた。だから、私が妹たちをしっかり面倒見なければと思ってプログラムを受けたんだ」
「分かってた?」

チンクの妙な言い回しに、ヴィータは聞き返す。

「私は、ちょうど中間期に製造されたんだ」
「中間期?」
「私より上の姉たちは、ドクターの研究の最初期、まだ評議会から一方的に命令され、悔し涙を飲んで、寝る間も惜しんで研究させられていた頃に完成したそうだ。その頃のドクターはまだ普通の人間みたいだったそうだ」
「想像できねーな」

ヴィータは意外そうな顔をしていた。

あの厚顔不遜で、喋るたびに、こちらの神経を逆なでしてくるような人間にそんな時期があったなど考えずらいもの当然だろう。

「そして、私より後の妹たちになると、ドクターの研究も着々と進んでいて、すでに違法研究者としては随分と力をつけた存在になっていた。特に、私が『単独で陸戦Sランク魔導師である、ゼスト・グランナガンツを倒した』という結果がドクターに自信をつけさせたんだと思う」

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