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魔法少女リリカルなのは〜"死の外科医"ユーノ・スクライア〜
本編
第七話
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といい」

すぐさま、アギトとチンクが二人を押しとどめたため、被害が出ることはなかった。

「ううう、ルールー。あんなにおとなしくて優しかったルールーはどこ行っちまったんだよ〜」

もはや、アギトは涙目である。キャロもルーテシアも、最初はあんなに心優しく、儚げな少女だったのに、今の彼女たちを見ると、そのような言葉は微塵も思いつかない。恋とは良くも悪くも人を大きく変えてしまうものである。

「だいたい、私が見たところ、あの二人の間に恋愛感情は皆無だろう。だから、二人ともエリオがユウに盗られる心配はいらないと思うのだが・・・」
「そ、そうだよ!?エリオも男友達とつるんでいるようなもんだって!?」

実際、二人の推測はおおよそ合っていた。

気配り上手で紳士的な態度、しかも最近身長が急成長しているため忘れがちになるが、まだ13歳であるエリオは、異性と恋愛するよりも、同性と遊ぶ方が楽しいお年頃なのである。そのため、家庭でも仕事場でも、ずっと女所帯で育ち、同年代の男友達のいなかったエリオが、まるで男友達のように気軽に接する事ができるユウと仲良くなるのは至極当然のことである。

しかし・・・・・・・。

「でも!?最近のエリオ君、いっつもユウちゃんとばっかり一緒にいるんですよ!?」

他の同年代の女の子よりも男女の性の違いに疎く、よく言えば純粋、悪く言えば天然であるキャロには、思春期の男の子であるエリオの気持ちを察してあげることは難しいようである。

「エリオ、私たちにはどこかよそよそしいのに、ユウには違う・・・」

ユウに対するときと、自分たちに対するときの態度の違いから、ルーテシアはエリオから疎外感を感じているようである。

実を言うと、エリオはフェイトの教育により、女の子であるキャロやルーテシアに対しては、優しい紳士的な態度を心掛けていた。しかし、それが逆に二人には、エリオが自分たちに対して、心の壁を作っているように感じてしまったのである。

「頑張ろうね!!ルーちゃん!!」
「うん!!」

キャロとルーテシアが新たな脅威(ユウ)に対して結束を強めていた頃。

ドゴッ!!

何かが地面に叩きつけられる音がした。

慌ててみんなが振り向くと、腕を掴まれたエリオがユウに投げ飛ばされ、背中から地面にたたきつけられていた。

なんとか受け身をとったエリオだが、凄まじい衝撃があったらしく、しばらくは動けないようである。

「オイラの勝ちッスね。これで63戦中31勝29敗3引き分けでオイラの勝ち越しのままッスよ」
「つ、次は絶対に勝つよ!?」
「いーや、次もオイラが勝つッス」

しばらくの間、訓練場には二人の口喧嘩だけが聞こえていた。





「いやー。これはまた面白そうな
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