無印編
事後処理
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を隠蔽され、全てを私の責任にされた。でも正直、もうどうでもいい。明日から地方に左遷されるそうだが、あの娘が死んだ今、何もする気が起きない』
『○月○日。
あの娘が死んで何もする気が起きなかったから今日会社に辞表を提出してきた。良く無断欠勤を繰り返したのにクビにされなかったもんだと今更ながら感心する』
『○月○日(しばらく日付が飛んでいます)。
久しぶりに様々な科学論文雑誌に目を通すと、興味深い論文が目に入ってきた。「クローン人間に対する記憶転写による死者蘇生の可能性」。この記事を見つけた時、私の頭にまるで天譴が来たかのような衝撃が走った。「この方法ならアリシアを生き変えさせられるかもしれない」。その一図の望みを託し、この論文の提唱者であるジェイル・スカリエッティに連絡を取った』
『○月○日。
彼から教わった理論を下地に私の全く新しい研究が始まった。正直なところ、魔法機械工学専門の私には生物工学は門外漢もいい所だったが、どうにかあの胡散臭い男から基礎理論を教わり、資産を投げ売って研究資金を稼いだ。・・・・・・待っててアリシア。もうすぐ生き返らせてあげるからね』
『○月○日(しばらく日付が飛んでいます)。
長年の研究の末にようやくアリシアが甦った。ふふふ・・・これでようやく私の全ての時間も愛情も注いであげられる。・・・・お帰りなさい、アリシア。』
『○月○日。
違う!!違う違う!!何が間違っていたの!?完全に同じ遺伝子、同じ記憶を持っているはずなのに、あの娘はアリシアとは全く違う!!利き腕も性格も魔法資質さえ!!どうしてこうなったの!!今までの研究は所詮無駄でしかなかったと言うの!?』
『○月○日。
あの娘を見ているとアリシアの事を思い出す。でもこの娘はアリシアとは違う。でも、この娘もまぎれもなく私が生み出した娘に他ならない。私はこの娘もアリシアとは違うもう一人の娘として愛しようと決めた。・・・・・そうだ名前をあげよう。アリシアじゃない娘にアリシアって変だものね。・・・・・・そうだ、フェイトにしよう。プロジェクト名から取っただけの安直な名前かもしれないけど、「運命」って意味もあるみたいだし。ふふ・・・素敵な名前ね』
『○月○日。
今日は夢の中に血まみれのアリシアが出てきた。私の枕元で恨み言を延々としゃべり続ける、まさに悪夢と言ってもいい光景であった。・・・・これで三日目である。ごめんなさい。決してあなたを忘れたわけじゃないのよ。ごめんなさい。だから、そんな悲しそうな声で私の名前を呼ばないで、そんな裏切られたような表情で私を見ないで。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい』
『○月○日。
今日突然吐血した。研究室で調べてみると、酷い病気らしく予想以上の速度で進行しているらしい。私の命もあとわずかのようだ
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