無印編
時の箱庭・中篇
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の地に眠る秘術。そんなものはとうの昔に失われているはずよ」
『違うわ』
リンディの言葉に口を開くプレシア。
『アルハザードは今もそこにある。失われた道も次元の狭間に存在する』
「仮にそんな道があったとして、貴女はそこに行って何をする?」
『取り返すわ。私とアリシアの過去と未来を。取り戻すの。こんなはずじゃなかった世界の全てを!!』
その時、青い魔力砲が部屋の壁を破り、クロノがプレシアの元に現れた。
「知らないはずがないだろう!?どんな魔法を使っても過去を取り戻すことなんかできやしないんだ!!世界はいつもこんなはずじゃないことばっかりだ!!何時だって誰だってそうさ!!」
遅れてフェイトとアルフも到着した。
「こんなはずじゃなかった現実から逃げるか立ち向かうかは貴方の自由だ!!だけど、自分の悲しみにあの娘や他の人間を巻き込んでいい権利なんて誰にもありはしない!!」
そして、フェイトはプレシアの眼前に立った。
無言でお互いを見る二人。
「ゴホッゴホッ!!」
「「「「っ!?」」」」
突然の吐血にその場の全員が驚いた。
「母さん!?」
フェイトが駆け寄ろうとするが・・・。
「何を・・・・しにきた・・・・」
その一言に足を止める。
「消えなさい・・・・・もうあなたに用なないわ」
しかしフェイトは立ち去らず、強い意志を込めて言葉を紡ぐ。
「貴女に言いたいことがあって来ました」
「恨み言でも言うつもり?」
「違います」
その言葉に誰もが息をのみながら聞き入っていた。
「私はただの失敗作でアリシアの偽物で母さんが作り出したただの人形なのかもしれません。アリシアになれなくて・・・期待に応えられなくて・・・」
「フェイト・・・」
「いなくなれって言うのなら、遠くに行きます。でも・・・・・それでも、私は母さんに生み出してもらって、育ててくれた、貴女の娘です。母さんに笑顔でいてほしい。幸福を感じてほしい。例え今までの記憶や私自身の全てが偽物だったとしてもこの想いだけは本物です」
「だから何?今更あなたを娘と思えと?」
「貴女がそれを望むなら・・・私はこの世の全てから貴女を守ります。それは、私が貴女の娘じゃなく、貴女が私の母さんだから!!」
これまでの人生の全ての勇気を振り絞り、自分の胸の内の全てを言葉にして伝えたフェイト。
しかし・・・・・。
「ふふ、ふふふふふ・・・・・・・・・・・・」
プレシアは一瞬だけ驚いた表情を浮かべたが、直ぐに俯き笑い始めた。
「くだ・・・・らないわ・・・・・」
「え?」
「くだらない。くだらない、くだらないくだらないくだらないくだらないくだらないくだらないくだ
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