無印編
時の箱庭・前篇
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アラーム音が鳴り響き、慌ただしく人々が動き回るアースラの中で、一か所だけ物静かな場所が存在した。
それは、医務室である。
「フェイトちゃん・・・」
瞳に光をなくし、生きる気力さえ失ったフェイトは使い魔のアルフによって運ばれ、医務室のベッドに寝かされていた。
なのはたちもその様子を心配そうに眺めていた。
誰も彼女にかける言葉を見いだせずにいた。
それも当然であろう。
目の前でたった一人の母親に拒絶されたのだ。
その絶望は計り知れない。
「フェイトちゃん。私は行くね・・・プレシアさんを止めてくる」
「「なのは(ちゃん)・・・」」
「このままじゃ、地球が大変なことになっちゃうみたいだし、このままフェイトちゃんがプレシアさんとお別れなんてあんまりだから・・・プレシアさんの所に行ってくる」
「僕も行くよ。なのは」
なのはが医務室を出ようとするところにユーノが着いていった。
「テスタロッサ・・・」
なのはとユーノが出て行った後、龍一がフェイトに話しかけた。
「君の悲しみも絶望も僕には完全には分からないだろ・・・だから知ったような戯言を言うつもりはない」
だが・・・・・。
「君はそれでいいのか?・・・このまま何もかも諦めてしまうつもりか?」
フェイトに反応はない。
「これは他でもない君の・・・『フェイト・テスタロッサ』の物語だ。君の物語の主役は君しかいない」
いまだに反応はないが構わず続ける。
「このまま諦めるのも、もう一度立ち上がるのも君の自由だ。だけど、これだけは覚えていてくれ。どの道を選ぼうと君は君だ。君の物語はまだ始まってすらいない」
そして、龍一は扉に向かう。
「待ってるよ・・・・・」
そして、彼は扉から出て行った。
時の庭園に転移したなのは、ユーノ、龍一、クロノの4人はプレシアの元に向かう。
ちなみに、剛は3人を待つクロノの先に向かったようだ。
「ユーノ君は知っているだろうが、全員そこらじゅうにある穴には気を付けてくれ」
「この穴って?」
「虚数空間。魔力が発動しない空間だ」
「飛行魔法さえキャンセルされる。落ちたら重力の底まで真っ逆さまだ」
「高町は特にどんくさいからな。うっかり転んで穴にダイブしないでくれよ」
「そんなことないもん!!」
少し走ると、大きな扉だったらしきものを発見する。
原型をとどめないくらいに破壊されていた扉の向こうには、多くの魔導兵の残骸が散らばっていた。
「これって・・・剛さんが?」
「多分そうだと思う」
「あの人ほんとに人間なのか?」
「我が父ながら、自分でも時々そう思う」
4人はその惨状に唖然としていたが、直ぐ
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