無印編
海上の決戦
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いる映像以外を延々と流すことで、彼女たちをこの部屋に釘づけにするのが彼の狙いなのだ。
彼女は名目上捜査に協力していることになるので、与えられた役割に満足感を覚えさせることができ、余計な行動を起こそうという気がなくなるのである。
「君たちにも、彼女が本当の目的に気付かないようにフォローしてほしい」
「「分かりました」」
男の子たちは剛の言葉に頷いた。
「ちょっと!!これは一体どういうことですか!?」
そこに、クロノが血相変えて入ってきた。
「一体どうしたと言うのかね?クロノ執務官?」
「どうしたもこうしたもない!!この人員配置表です!!」
そう言ってクロノはモニターを表示する。
その配置表には封印処理班に小林と機動隊の結界部隊、それにアースラの結界魔導師数名、そして被害を抑えるための戦闘実行班は剛とアースラの武装官数名・・・・クロノの名前がどこにもなかったのである。
「どうして僕の名前がないのですか!?僕の魔導師ランクはこの表に載っているどの武装官よりも高い!!なのになぜ、僕は参加できないのです!!」
「簡単な理由さ。この国はバイトを除けば原則として『18歳未満の人間を働かせてはならない』と決められている。特にこのような命の危険があるような仕事なら尚更、未成年である君を参加させるわけにはいかない。君には書類仕事と捜査を担当してもらいたい。本当ならそれさえタブーなのだが、これが妥協点だ」
「ふざけないでください!!魔導師でもない貴方が作戦に参加する方が危険です!!貴方こそ書類仕事に回ってください!!」
そこからは『未成年者が戦闘に参加すること』を問題視する剛の主張と『非魔導師が戦闘に参加すること』を問題視するクロノの主張の平行線であった。
しかし、しばらく続いたその話し合いは、龍一が漏らした『じゃあ模擬戦で決めたら?』の一言であっさりと決着した。
彼らは、訓練室に移動し、模擬戦で雌雄を決した。
子供たちだけでなく、何処からか話を聞きつけたリンディとエイミィも観戦している。
そこから先は終始一方的な展開だったので割愛しよう。
勿論、剛の勝利で終わった。
クロノのブレイズカノンを外功で防ぎ、スティンガーブレードを内功でへし折り、虚空瞬動で自由自在に空中を飛び跳ね、いくら攻撃しても、まるで意に返さず向かってくるさまはまるでホラーであった。
目の錯覚か、顔が真っ黒の影で覆われ、目が光り、口から蒸気を吹きだしているようにも見える。
天眼で見極めた防御魔法の構成が甘い部分を麻婆神父のマジカル八極拳のような正拳突きで砕かれ、音もない瞬動で背後に回られ、当身の衝撃をバリアジャケットの内側に通され、クロノはほとんど手も足も出なかった。
勿論、クロノもただやられ
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