無印編
共同戦線
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予想外の理由に言葉を失うリンディ。
「私は家を出る前に妹と約束したのだ。『どこにいても、兄が必ずお前を助けに行く』とね」
「妹さんを恨んではいなかったのですか?」
「全く。彼女は紛れもない私の家族だ。何を恨むことがある?」
「そうですね。愚問でした」
「その約束を果たすために、私は魔法業界に関わり続けなければならなかった。だから、私は魔法業界に関わる組織に就職した。この世界の魔法組織は主に3つの種類に分類される。一つは魔導師の仕事の斡旋をする魔法組合、一つは非営利団体の魔法協会、最後の一つは国家機関の魔法共団だ。だが、大半の魔法が科学技術で代用できるこの時代、それでも、なお魔導師の需要があるのは、結界や封印などと言った、まだ魔法でしか成しえることができないことがあるためだ。要するに、魔導師とは専門職なのだよ。だから、そもそもリンカーコアすら持たない私は組合では門前払い、だから共団の、それも警察くらいでしか雇ってくれなかったのだよ。戦闘行為は最も科学技術で代用できるものの代名詞だからね」
その言葉に一同は納得できなかった。
質量兵器が禁止され、『安全でクリーンな技術』である魔法が中心の世界に生きてきた彼らにとって、『戦闘は魔導師でなければならない』と言う認識が強いためである。
高い資質をもつ魔導師なら未成年でも積極的にスカウトする彼らには、『魔法が使えないから警察(つまり彼らにとっての管理局)しか雇ってくれない』と言う状況そのものが理解できないのだ。
「ふむ。これが文化の違いと言うやつか?納得できないと言った表情だな?」
「ええ・・・・まあ・・・」
「まあ、私はユーノくんからミッドの歴史はある程度教えてもらったから君たちの心情は理解しているつもりだが、君たちはそうでもないみたいだね」
「歴史ですか?」
「文化の違いを理解する近道は歴史を知ることだ。いいだろう、この世界の魔法の歴史をサラッと教えてあげよう」
「お願いします。私たちにはその手の知識が不足しているようなので・・・」
そして、剛は説明を始める。
「古の時代、まだ魔法でしか成しえぬことの方が大多数の時代では、魔法は多大な恩恵をもたらした。そして、魔導師はその技術と知識で王族などと言った時の権力者に取り入ることで繁栄していったのだ」
「魔導師自らがトップになることはなかったの?」
「あっただろうが、恐らくその大多数は滅びているだろう」
「どうしてですか?」
「どんな名君が治めている国であろうと200〜300年も経てば、自然と滅び、新しい国に生まれ変わる。では、そうなると以前の国の王たちはどうなると思う?」
「どうなるのですか?」
「
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