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その魂に祝福を
魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方5
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、」
 あなたにもずっと笑って、幸せに暮らして欲しいのよ――桃子は今度こそ笑って見せた。淡く優しく、それでも力強い笑み。その笑みは、時々は相棒が見せたものに似ているように思えた。この器――■■■■の記憶にもあるようだった。そして、どうやら■■■■■■■■■■■の……そう名乗る以前の自分の記憶にもある。
「だから、そんな生き急いだ顔をしないで。いいえ。もう、そんな顔はさせないわ」
 それはつまり、母親の顔だった。不死の怪物を前に――それを認めてなお、そんな顔が出来る。そんな彼女に対する驚きは今も鮮明に覚えている。そして、今にして思えば――いや、改めて思う事がある。やはりなのはは桃子に似ているのだろう、と。
「あなたは私の息子なのだから」
 この強情さはそっくりだ。そう思う。




「これからどこへ行くの?」
 今までのように後を追ってくる妹――なのはが言った。未だにこの娘がここにいる事に納得がいかない……具体的にはリブロムと恭也に騙された気がしてならないのだが、こうなった以上は仕方がない。それに、
(確かに人手は必要なんだ……)
 なのはを……というよりその肩に乗っていたはずのユーノの姿を思い浮かべて小さくため息をつく。本音を言えば、あのネズミの力こそが必要だった。何せ、あのネズミは単独でこの世界に侵入してきたのだ。入ったはいいが出られない、なんて間の抜けた事を言い出さない限り、必ず持っているはずだった。この世界から抜け出す――この世界から抜け出し、プレシア・テスタロッサの隠れ家に踏み込むための手段を。
「光お兄ちゃん?」
「まずはアルフと合流する。そうしないと、プレシア・テスタロッサの居場所が分からないからな」
 覗きこんできたなのはにもう一度ため息をつきそうになったが、それは何とか飲み込んで答える。
「アルフさんって、あの狼さんのこと?」
「そうだ。フェイト――あの金髪の娘の名前だが――あの娘と直接合流出来ればいいんだが……どうも厄介な事になってるらしくてな」
「厄介な事ですか?」
 続けて訊いてきたのは見知らぬ金髪の少年だった。
「ところでお前は?」
 海上での一件の時から当然のようになのはに付き添っているが一体誰なのか。この魔力には何となく覚えがあるような気がするが――記憶を探っていると、先に彼が言った。
「えっと、ユーノです。こっちが元々の姿でして……」
「なるほどな。魔法で姿を変えていたって訳か。道理で妙な魔力を纏っていると思った」
 常に纏っていた魔力はそれが原因か。ついでに言えば、それが消えたせいで微妙に魔力が違うように感じていたようだ。言われれば、確かにこれはユーノ――あのフェレットもどきの魔力だった。なるほど、少しはツキが回ってきたか。アルフはかなり深手を追っているらしい。万一彼女が魔法
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