魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方5
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?」
「それでも、私はあの子を助けたい。助けるんだって、そう決めたから」
本音を言えばそれはとても怖い事だけれど――それでも、私だってそのくらいの覚悟を決めなければ、あの子と向き合う権利なんてない。
8
「おかえりなさい、なのはさん、リブロム君、ユーノ君。そして、改めてはじめまして、光君、アルフさん」
久しぶりにアースラに戻ると、リンディが出迎えてくれた。飛び出した時の事を思うととても気まずい。それはもう、とっても。
『しっかし、相変わらずイカれたところだよな』
「まぁ、世界を超える船なんだから元々まともじゃあないだろう」
『そりゃ違いねえな。ヒャハハハハハッ!』
そんな私の横で、リブロムと光がそんな事を言い合っている。しみじみと思う。二人とも、お願いだからちょっと黙ってて。
「それで、本当に明日には動けるのか?」
「ええ。心配しないで。明日には必ず決着をつけるわ」
光の言葉に、リンディが頷く。
「それじゃ、部屋に案内するから――」
「いや、いい。どうせリブロムはなのはと同室だろ?」
「それはそうだけれど……」
困ったような顔でリンディが私を見る。まぁ、私も光と同じ部屋でいいのだけれど。
「何を考えているか知らないが――状況はもう少し深刻だからな」
リンディを半眼で睨みながら、光が言った。
『まぁ、そろそろ衝動を抑えるのも限界だろうな。行くぜ、相棒』
言うが早いか、リブロムがページを開き、光はそれに吸い込まれていった。
『心配するな。追体験つってな。記述を元に過去を再現する。それがオレの力だ』
「記述……。ひょっとしてあの空間と同じものか?」
言ったのはクロノだった。
『どの空間か知らねえが……まぁ見当はつく。そう思ってくれて構わねえよ』
「えっと、何で急にそんな事を?」
リブロムを拾い上げながら、問いかける。
『何でって、オマエ。ここで相棒が暴れまわったらどうなると思うんだよ?』
「う……」
それは確かにそうかもしれないけれど。
『次に相棒が出てきた時が決着のつく時になる。だが、少なくともオマエがあの嬢ちゃんとやり合う時には相棒は傍にいねえぞ。何だ? 怖気づいたか?』
「そんなことないよ。大丈夫、絶対勝って見せるんだから」
『無理すんなよ。あの嬢ちゃんを倒して終わりじゃねえんだからな。まだ、続きがある』
「うん。分かってる」
私の言葉に、リブロムはにやりと笑った。
『明日で決着がつかなけりゃ、全てが終わる。オマエら、覚悟はできてるだろうな?』
全員を見回して、リブロムが告げる。今さら否定する人なんて誰もいなかった。
――世界が終わるまで、あと一日
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