≪アインクラッド篇≫
第一層 偏屈な強さ
≪イルファング・ザ・コボルドロード≫ その壱
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ゴを挟んでいるんだから金次第では聞けたろ? 聞かなかったのか?」
「……いや、その情報は買ったよ。……キバオウ、だとさ」
わけがわからん、と思った。キバオウと言えば今や反ベータテスターの象徴ではないか。
「ちぐはくだ。キバオウかよ。じゃあもう時間がなかったとかコルだけ余っているとかじゃないのか?」
「……うん。これ以上は考えてもしょうがないな。もう終わったことだし」
それだけ言ってキリトは移動速度を落とし俺の隣からフェードアウトした。今度はインディゴが代わって俺の隣に並び雑談を交わす。こちらはそれほど大したことではなかった。現実で遊んでいたゲームを少々話したり、RTSのコツを一方的に語ったり、MMOのこだわりを語り合ったり、インディゴが≪盾スキル≫と≪武器防御スキル≫両方を取っているという衝撃のカミングアウトしたりぐらいだった。雑談がレベリングの話に移り、ふとパーティーメンバーのレベルを知らないことに気づいた。
ここでパーティーメンバーのレベルを一応聞いておいた。デスゲームと化したSAOでのレベルというものは分かりやすい強さの基準なので他人に教えたくないのが一般的なのだが、どうやら俺は嬉しいことに彼らの信用を買えたらしい。つまりは教えてもらえたのだが、どちらかと言えばこの場の誰もがレベルの秘匿には無頓着だったというほうが適切かもしれない。その証拠に彼らは公然と自分のレベルを誇らしげに宣言した。
パーティーリーダー≪スバル≫のレベルは12。
タンクを担当する≪インディゴ≫のレベルは13。
タゲを集める仕事である≪ギア≫のレベルは10。
ダメージディーラー≪キリト≫のレベルは13。
リニア―が上手らしい≪アスナ≫のレベルは10。
平均レベルが11以上と、レイド全体の平均レベル10と比べたら高い。MMORPGはレベルが上がれば上がるほどレベルアップのための経験値必要量が大きく増加する。この第一層での経験値効率はおおよそ10レベルほどから限界がきて、レベル上げが難しくなってくる。俺がレベル10から11に上げる時はここまで経験値の黄色いバーが上がらないものかと辟易したものだ。言うなれば狩場が適正ではない、というやつだ。そういう意味ではレベル13の二人は恐ろしいほどMOBを狩っていることになる。昨日レベルの上がった俺からしてみれば追いつき難い差だ。とは言ってもスキルスロットの数は同じ四つなのだからレベル11以下のプレイヤーから見れば俺も相当次元違いに感じるだろうが。
と、俺の思っていたことを、レベル11以下プレイヤーの立場のギアが俺達のレベルを聞き信じられないといった表情で喉からやや高い少年の声を出す。
「そ、そんな……ソ、ソロだからレベルだけなら自信あったんだけど……。もしかして、ええっと
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