暁 〜小説投稿サイト〜
その魂に祝福を
魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方3
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なのか、それとも別の理由なのか……」
『いや、多分あの――いや、いいか。何であれ好機だ。いいか、チビ。しっかり身を隠してから一〇分の休憩を取って、あとは一気に魔法で飛べ。目的地はオレが示してやる』
 どこかに視線を走らせてから、リブロムが告げた。弾む息のせいで返事が返せない。頷くだけの首の動きすら煩わしい。だけど、視線だけでも頷いて見せる。
『どうやら、当たりを引いたらしい。不死の怪物と渡り合う覚悟はできたか?』
「大丈夫。『戦う覚悟』ならあるよ」
 不思議と滑らかに滑り出たその言葉に、リブロムはにやりと笑って見せた。




「艦長! なのはちゃんを見つけました!」
 その日。広域を探索させていたサーチャーが、高町なのはの姿を捕えた。もちろん、彼女の捜索もサーチャーを飛ばしていた理由の一つではある。とはいえ、そこまで優先順位が高いと言う訳でもなかった。今、最優先で確認しなければならないのは御神光の生死――そして、それに伴うジュエルシードの行方だ。そして、その観点から見ても、
「エイミィ、絶対に捕まえてちょうだい」
「了解!」
 彼女がこんな時間に隣町にいるという事実は無視できない。基本的には上空から監視するしかできない自分たちと異なり、人づてから情報を集められる彼女達であれば、御神光、あるいはあの金髪の少女達の所在を把握している、あるいはそのヒントになる情報を入手した可能性がある。それに何より、
「なのはさん達に、『無駄な事をしている』余裕はないはずよ」
 リブロムが定めたタイムリミットまで、あと二日しかない。この状況で、余計な事は出来ないはず。管理局の監視下から外れた事で、リブロムが彼女に何かしらの情報を提供した可能性は極めて高い。ここで彼女達を見失う訳にはいかない。
「そろそろ捕まえられるな」
 モニターを見ながら、クロノが呟いた。目に見えてなのはの動きが鈍ってきている。いい加減体力も限界だろう。あの子は魔力こそ膨大だが、特別身体を鍛えている訳ではない。むしろこれだけの距離をよく頑張ったと言える。
 サーチャーが一際接近する。充分に近づき通信回線を開いた途端、
『おらしっかりしろ! 追いつかれたらあのクロノとか言うガキに散々ナニされて嫁に行けねえ身体にされるぞ!』
 リブロムのそんな叫びが飛び込んできた。
「…………」
 誓って言うが。息子を信じていない訳ではない――が、ついついクロノに視線を向けてしまった。それは私だけではないらしい。他の何人かと視線があった。
「高町なのは――」
 何ごとも無かったかのように、クロノは咳払いをして通信機に向かって口を開く。が、それより早く、
『だから。筆舌に尽くしがたいよーな辱めを受けて子どもを産めない身体に――』
 上手く理解できなかったのか、それとも単純に疲
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