二話:迷子?
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「………いい加減ここが地獄なんじゃないかと思い始めて来たぞ。」
歩けど歩けど、いつまでたっても人一人どころか水すら見当たらない状況にいい加減嫌気が刺してダラダラと歩きながら一人でぐちる。
今までの経験から大抵の苦難には慣れている……まあ、主に借金関連だけど……。
そんな俺でもただひたすらに歩きまわるというのは流石に辛い。
しかも三日間ぶっ通しでだ。
もちろん食料などないので飲まず食わずの状態でだ、
どうして俺はよりによって人も食料もない場所にいたんだ?
………これも俺が不幸だからで片づけられてしまうのか?
「それにしてもこういう時はルルみたいに体に色々と蓄えていた方がいいのか?まさかルルはこう言った事を見通してあの体型になったのか!?」
もしそうだったとしたのなら自分の飼い猫ながら恐ろしい奴だ……。
猫皇帝の名前は伊達じゃないという事か…!!
………まあ、あれは兄さんが隠れてロイヤル猫缶をあげてたせいなんだけどな。
そんなことを冗談で考えながら現実逃避をしていると遠くから
この三日間待ちわびていた人の声が聞こえて来た。
ただし、それは―――
「うわあああっ!!?」
厄介なことに男の子の悲鳴だった…!!
声の聞こえてきた方はあっちか……よし、すぐに行くぞ!!!
「とにかく何か食べ物を―――いや、男の子を助けに行かないとな!!!」
空腹のあまり危うく人命を疎かにしてしまうところだったが
何とか頭を切り替えて声の聞こえた方に走り出す。
しばらく走っていると紅い髪の男の子が
獅子のような魔獣に襲われているのが見えてきた。
「こ、来ないでください!!!」
必死に逃げようとする男の子だったが恐怖のせいか
脚がもつれさせて転んでしまった。
そして獅子のような魔獣はまるでその様子を楽しむかのように
ゆっくりと近づいて行った。
「ぐるるるるっっ!!」
「あ…あ…!?」
恐怖のあまり悲鳴すらあげれなくなっている男の子を飲み込まんとして
獅子のような魔獣の巨大な口が開かれる…!!
不味い!!早く何とかしないと!!
くそっ!!銃があれば―――っ!?
そう思った瞬間、突如俺の手が光を放ち見慣れた銃が現れた。
「これは……オリジンが言っていた神器の能力なのか?」
「ガオオオオッッ!!!!!」
唸りあげた魔獣の牙が男の子を切り裂かんとする…!!
「今は考えてる場合じゃない!!うおおおおお!!!」
とにかく魔獣の意識を俺の方にに向けさせて
男の子から離れさせるために魔獣の顔目掛けて銃を連射しまくる。
こいつでどうだ!?
「ぐるっ!?」
低い唸り声を上げて俺の方を向く魔獣。
よし、上手くい
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ