二話:迷子?
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え
そしてそのままピクリとも動かなくなった。
良かった、俺は守れた………。
「ミリキャス!!?」
女の人の声、あの子のお母さんかな?それならもう大丈夫か………な……
「大丈夫ですか!?」
意識が無くなる寸前に聞いたのは紅い髪の少年の悲鳴に似た声だった。
目を開けると見慣れない天井が広がっていた、そして体はやけに柔らかいベッドの中。
顔を上げて辺りを見回すとやけに豪華な装飾が目立つ。
花受けに使ってある壺ですら一つ何百万とするだろう、
もし割ってしまったらまた借金地獄に……
そこまで考えてブルリと体を震わす、やめよう。
もう世界も違うのだし考えてもしょうがないだろ
それに全額返金したしな!!!
あの時は本当に感動した……でもどうせならエルと一緒に喜びたかったな。
そんなことを考えていると扉が開いて銀髪でとても綺麗なメイドさんが入ってきた。
「気づかれましたか?」
この声はあの時の女の人だな、それならあの子が大丈夫か知ってるだろうな。
「はい、あの…あの紅い髪の子は大丈夫ですか?」
俺がそう聞くと目を丸くするメイドさん、そしてその後すぐにクスリと笑った。
「起きて、第一声が他人の心配ですか、ふふ随分とお人良しなんですね。」
「よく、言われます……それで?」
「はい、あの子は―――ミリキャスは元気ですよ、随分とあなたのことを心配しているみたいなのでよろしければ後で顔を見せてください」
そう言って優しそうにほほ笑む姿を見てやっぱりこの人が
ミリキャス君のお母さんなんだなと確信する。
そう言えばミリキャス君の髪の色は紅色だったよな。
この人の髪は銀色だからきっとミリキャス君のお父さんが紅色なんだろうな。
「グレイフィア!!彼が起きたのかい!?」
そんな風に考え事をしていると勢いよく扉が開いて
紅髪のイケメンの男性が勢いよく入って来た多分この人が―――
「サーゼクス様、ご自分の立場を考えて行動して下さい。」
「今はミリキャスの父親として来ているのだ、固いことは言わないでくれ。」
やっぱり、ミリキャス君のお父さんだ、それにしてもメイドさんもいるし部屋も豪華だし
自分の立場とか言ってたから身分の高い人なんだろうな。
俺みたいなやつが気軽に会っても良い人なのだろうか?
いや……よく考えたらガイアスも俺が会えるような身分の人間じゃなかったから
今更気にしてもしょうがないか?
「まずはミリキャスを助けてくれた礼を言いたい……本当にありがとう、言葉では言い表せない程に感謝している。」
そう言って俺に深く頭を下げるミリキャス君のお父さん。
何だかこそばゆいな……。
「顔を上げて下さい俺は当然のことをしたまでですから。」
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