第二章 彼と彼女の事情
第十一話 千早の事情
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にヒーローを期待した僕たちが間違えなのでしょうか。
同じことを思ったらしいBクラスのクソ野郎どももご丁寧に揃っても吉本みたく蹴躓く。
「今だ、総員突撃!」
「「応っ!!」」
「「っっくぅ!」」
あっと言う間に包囲されたこ殴りにされるBクラス残存クソ野郎ども。
「戦死者は補習!!」
まさかこれを狙って?クソが蹴躓いたのに召喚獣も連動して首元に狙いを絞っていた奴の刀が、島田さんの召喚獣にぎりぎり当たらなくなったのを確認してから総攻撃、そして敵部隊の征討。もしかして吉井君は埋もれた天才……
「どうして島田さんも連れて行ってくれなかったんだよ……」
ではなかったようだ。(彼の目論見もご破算だったようだ。)
小さな声で呟き、抜き足差し足忍び足で逃走を図ろうとする彼の肩を、とんでもない握力でつかみかかる島田さん。
握力については吉井の表情からの推定だが、島田さんのキレ具合を見るに痛めつける気は満々なのだろう。
「吉井、どういうつもりだったの?ウチのことどう思ってたの?」
「島田さん?そりゃ最初から本物だってわかってたけどその関節はそっちには曲がるなんて知らなかったよおぉぉ!!」
のたうち回る吉井を横目に、いちゃついている二人の横を何事もなかったかのように通り過ぎる僕と秀吉君。
その後ろで僕たちに敬礼をしてくるFクラスのみなさん。
平和です、とても。
そう、とっても穏やかです。
「さて、一階四階の空き教室の戦況を確認しましたら、状況次第では代表の本陣まで行きます。その間の守備は頼みますよ?」
「了解じゃよ、しかし姫路たちが回復試験を受けなければならなくなっておったら、お主には是非にでも居てもらわねば困るのじゃが?」
「代表には実質的には四階の軍の統率もして頂いていますからね、これ以上の負荷はお掛けする訳には参りません。」
_____10:59 妃宮千早、木下秀吉 四階空き教室に帰還______
______10:24 旧校舎三階二年Fクラス________
「これだ!」
誰もいないはずのFクラスでは、Fの人間でない者が勝手に他人のカバンなどを覗きまわしていた。
既にそのクラスの卓袱台の脚や何本か残っていた鉛筆などは違う人間たちによって折られていた。
それは悪意ある悪戯、では済まされないだろう。
電気のついていない暗い教室の中で一人の男がガッツポーズを作り、その喜びを表現していたとしても彼の配下がそれを発見したところで“あぁいつものことか”とか“敵にしては酷すぎるかもしれないが仕方がないと諦めてくれ”など咎める者はなく、またそんなFクラスに気をやる余裕のある人間はその時旧校舎の三階には居なかった。
「はっ、ははは、そうだよ。俺のものを掻っ攫うことなど絶対に許さない!それが例えこの試召戦争の勝利だとしても
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