第七話
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てきた男の力量を見抜きタバサに緊張が走る。
「誰であろうとこのギーシュが返り討ちにしてあげるよ」
そう言ってギーシュは新たに生み出したワルキューレを操り仮面の男に向わせる。
しかし男から放たれた風の魔法で吹き飛ばされ、その形を維持しきれなくなって消滅した。
「な!」
「ギーシュ。あんた何やってんのよ?」
「使えない」
余りにもギーシュの使えなさぶりにキュルケとタバサが呆れ気味に呟いた。
その光景を俺は机の下から盗み見て驚愕した。
な!?
どうしてワルドの偏在の一体がこっちに来ている?
これもマルクスが関わった事による影響か?
マルクスと決闘したワルドが負け、マルクスの力に驚愕したワルドが少しでも邪魔される確率を下げる為に後続のキュルケ達を確実にしとめるようとでも思ったのか?
ワルドが放つ風の魔法に段々とキュルケ達は押されていく。
ドットメイジであるギーシュは言わずもがな、キュルケとの相性もそれほど良くはない。
放つ炎の魔法をその風で総て弾いてしまっている。
唯一対抗できるであろうタバサもフーケとワルド、2人の相手は流石に荷が重いらしい。
「アオ。このままじゃ」
「ああ。わかっている」
『女神の杵』亭は既にあちこち破壊されている。
酒場に居た他の貴族達は夜盗が逃げ、フーケ達の目標がキュルケ達で固定されている隙に逃げ去って行った。
未だ中にいる貴族は俺達とキュルケ達のみだ。
防戦一方のキュルケ達。
その攻防もそろそろ終わりだ。
「精神力が切れた」
そう言って机の陰に隠れたタバサを筆頭に3人の反撃がやむ。
「あたしも」
「ぼくもだよ」
キュルケ、ギーシュも精神力が切れたようだ。
「あんた何もやってないじゃない!」
そうは言ってもトライアングルとドットでは同じ威力の魔法でも使う精神力が違うのだ、ギーシュの精神力切れも仕方ない。
「どうすんのよ!」
慌てふためくキュルケに沈黙のタバサ。
「ど、どどど、どうしようか!?」
ギーシュはすでにパニックになり精神の限界を超えている。
「終わりだ」
そう言って杖を振り上げるワルド。
ちょ!
またかよ!
何でまた原作キャラが生命の危機に陥っているんだ!?
ああッくそ!
「きゃあああああ」
キュルケが悲鳴を上げる。
俺はフードを深く被り左手にソルを握り直し、ガンダールヴ(偽)のルーンを発動させる。
そして向上された運動能力で一気に距離を詰め、ワルドを出入り口の向こうまで蹴り出した。
「ぬっ!?」
吹き飛ばされていくワルドの偏在。
「あれ?生きてる?」
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