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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第3話
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のとき、軌道上の次元航行艦からの精密砲撃との連携によって
 地上の抵抗を無力化してから部隊を突入させていました。
 今回も同じ手法が使えると思うんです。
 幸い、艦長の艦は対地精密射撃ができるタイプのはずですよね?」

『それはそうだが・・・・・。
 つまり君は、この作戦案にある魔導砲の代役を本艦にやらせようというのかね?』

「そうです」

ゲオルグは画面の中で眉間にしわを寄せる艦長に向かって大きく頷いた。

「軌道上からの精密射撃によって敵の火砲を潰し、しかるのちに
 陸士部隊を突入させる。 これが私の案です」

自身に満ちた表情で自らの考えを述べたゲオルグ。
その言葉を艦長と3人のを咀嚼するまでの僅かな間、沈黙がその場を支配した。

『私は・・・シュミット2尉の案に賛成だ。 地上作戦の専門家である
 君たちの意見はどうかね?』

その言葉で沈黙は破られ、3人の部隊長たちは少し考え込んだのちに
納得顔で頷いた。

「ありがとうございます。 それでは、準備をお願いします」

ゲオルグが4人に向かって感謝の言葉を述べると、彼の前にあった
通信ウィンドウは一斉に姿を消した。
そして、ゲオルグのそばに立っていた部隊長は微笑を浮かべてゲオルグの肩を
ポンと叩くと、部隊員たちの方へと去っていく。

ゲオルグはその背中を見送りながら安堵の吐息をもらした。

「ゲオルグくん・・・」

そんなゲオルグに背後からはやてが声を掛ける。
ゲオルグは振り返り、はやてに向かって優しく微笑んだ。

「まさかこんなことになるとは思ってなかったよ。 びっくりだよね」

「びっくりって・・・そんな他人ごとみたいな」

はやてはゲオルグのあまりにも普段通りな態度に呆れていた。
だが同時に、この若い士官の戦術眼に敬服の念も抱いていたのである。





「・・・主はやて」

回想に耽っていたはやては、自らに向かって掛けられた言葉で我に返った。
そこは不毛の大地が広がる場所などではなく、白い壁に覆われた彼女自身の
オフィスであった。
はやては手に持った写真立てにもう一度目を向ける。

その後、結局作戦はゲオルグの考えた通りに進み、味方の被害は軽傷者2名という
軽微なもので無事に当初の作戦目的を達成したのである。
作戦終了後、陸士部隊の隊長たちは口ぐちにゲオルグの戦術眼を絶賛する
コメントを残し、次元航行艦の艦長に至っては勲章の推薦人を買って
出るほどだった。
だが、ゲオルグはそれらを意に介さないように笑って受け流した。
そして彼の指揮のもとで戦った、陸士部隊の隊員たちのもとへと向かったのである。

はやての手にある写真はそのときに撮られたものである。
写真の中で満面の
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