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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第3話
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人の部隊長がゲオルグの言葉に頷くなか、はやてはゲオルグの
背後でことの成行きをじっと見守っていた。

「ですが捜査部の八神捜査官の意見を伺った結果、私は本作戦を継続するべきと
 判断しました」

続いてゲオルグが発した言葉は、艦長たちに衝撃を与えた。
彼らは一様に目を見開いてのけぞるように硬直してから、やや間をおいて
ゲオルグに向かって食ってかかった。

『待つんだ、2尉。 司令部なき今作戦を継続するのは困難だ。
 それに単に作戦を継続しても敵の砲撃で我が方が一方的に殲滅されるだけだ。
 ここは一旦引いて、態勢を立て直すべきだろう』

艦長の言葉に3人の部隊長も大きく頷いて賛意を示した。
だが、一人ゲオルグだけは首を横に振った。

「いえ、態勢を立て直している間に奴らは本拠地を移動しますよ。
 そうなったら我々はまた本拠地探しからやり直しです。
 その間に奴らの犯罪行為によってどれだけの新たな被害者が出るか
 考えれば、多少の無理は押してでも今ここで奴らを捕えておくべきです」

強い口調で言い切ったゲオルグの言葉に対して、艦長は眉間にしわを寄せて
渋い顔をする。

『それはそうかもしれんが・・・・・だが、当初の作戦計画をそのまま実行しても
 むざむざ砲撃の餌食になるだけだろう。 やはりここは・・・』

「それについては別案があります。 本作戦の共有領域に作戦案Bという文書を
 転送しましたので、皆さんそれを一読願えますか?」

艦長の台詞を遮ってゲオルグがそう言うと、画面の中の艦長と2人の部隊長は
顔を横に向け、ゲオルグの側に立っていた部隊長は自分の携帯端末を操作して
文書を探し始めた。

「・・・これは!」

しばらくして文書を読み終えた部隊長は、ゲオルグの方に勢いよく顔を向けながら
驚愕の声を上げた。

「これは、少将が却下された君の作戦修正案じゃないか。
 まさかとは思うが、これを実行しようというのではあるまいな?」

「そのつもりですが」

部隊長の問いかけに対してゲオルグが振り返りつつ平然とした口調で答えた瞬間、
部隊長はゲオルグの襟をつかみあげた。

「何がそのつもりだ、ふざけるな!」

目じりを吊り上げてゲオルグを睨みつけながら部隊長がどなり声を上げる。
その剣幕に、側で見ていたはやては身をすくませながら2人の方に歩み寄っていく。

「あの、あんまり乱暴なことは・・・」

2人の争いに割って入ろうとしたはやての台詞は、自らに向けられたゲオルグの
鋭い視線によって遮られた。
ゲオルグは厳しい表情のまま視線をはやてから、自分の襟をつかみあげる
部隊長に移した。
自らの襟をつかみあげる部隊長の手にちらりと目をやると、部隊長の顔を

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