第3話
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と見た。
しばし無言のまま時間が流れた後、呆れたとばかりにはやては首を振った。
「魔導砲を持ってきてへんのに意味ないやん。それに少将が採用するわけないやろ。
何のために持ってきたん?」
「念のため、かな。魔導砲の代用は次元航行艦からの精密射撃で行けると思うし。
まあ、役に立たないまま無事に終わってくれるに越したことはないんだけどさ」
「当たり前やんそんなん。 無事に終わってくれな困るっちゅうねん」
はやてはそう呟くと、窓の外に目を向けた。
ちょうどはやてとゲオルグが同行する陸士部隊の姿が見えてきて、
装甲車は止まった。
2人はドアを開けて装甲車から降りて、指揮所となっているテントの中に入り、
陸士部隊の部隊長に予定通り作戦が開始されることを伝えると、
部隊長は2人に向かって頷くと、副官を伴ってテントから出ていった。
ゲオルグとはやても部隊長に続いてテントから出ていく。
テントの外には、先ほどはいくつかの集団になって話をしていた陸士部隊の
隊員たちが部隊長の前にきれいに整列していた。
ゲオルグとはやては部隊長から少し距離を取ったところに立ち、
隊員たちと向かいあった。
「あと15分ほどで作戦開始だ。 各小隊とも作戦計画を再確認して
各隊の役割をしっかりと頭に叩き込んどけ。 いいな?」
「「はいっ!」」
部隊長の言葉に隊員たちは声を揃えて返事をすると、小隊ごとに集まって
各々の役割について最後の確認を始めた。
部隊長はその様子を見て満足げに頷くと、ゲオルグたちの方を振り返って
手招きした。
2人が近寄っていくと、部隊長がゲオルグに話しかけてきた。
「シュミット2尉。 作戦についてひとつ確認しておきたいんだが・・・」
ゲオルグが部隊長に向かって頷きかけたとき、ふいに"ドンッ"という音が
数度鳴り響いた。
それに続いて、"ヒューン"という何かが風を切るような音が徐々に近づいてきたとき
部隊長の表情が一変した。
「総員、伏せろーっ!」
部隊長の叫び声と同時に隊員たちはその場で頭を抱えて伏せ込んだ。
ゲオルグも同じくその場に伏せて頭を抱えた。
「え、えっ!?」
だがすぐ隣でうろたえた声がして、ゲオルグは顔を上げた。
そこにはきょろきょろと周りを見回しながら立ちつくすはやての姿があった。
「はやてっ! 何やってんの!?」
ゲオルグははやてを強引に引き倒すと彼女の上に覆いかぶさった。
次の瞬間、爆発音とともに砂煙が辺りを包み、パラパラと何かの破片が
落ちる音がした。
砂煙が晴れてきてから、ゲオルグが顔を上げて辺りの様子を窺うと、
陸士部隊の隊員たちがゆっくりと立ち上がっているのが目に入った。
「ううっ・・・な
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