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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第3話
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されており、内部構造も
既に判明していた。
また、武装集団側には強力な魔導師がいないことは確認されており、
所持している武器もせいぜい小火器程度とみられていた。

作戦の説明が終わると質疑の時間となったが、出発前にさんざん議論を
重ねていたこともあってさしたる質問もなく、司令官の
"次元世界の守護者としての諸君の献身に期待する"
との言葉で会議は終了した。


会議に末席で参加していたゲオルグとはやては、司令部を出ると前線へ
移動するために装甲車に乗り込んだ。
装甲車が走りだすと、はやてはゲオルグに話しかけた。

「なあ、ゲオルグくん。 この作戦についてどない思う?」

「どう思うって、どうもこうもないよ。 決まった以上は従う、それだけだよ」

ゲオルグが肩をすくめて答えたとき、装甲車が地面の凹凸によって大きく揺れた。
しばらくして車内が落ち着くと、ゲオルグは言葉を続けた。

「そう言うはやてはどう思ってるのさ?」

「出発前にも話したけど、正直言って今でも不安やね。
 武装勢力の戦力分析が足りない部分もあるし、もうちょっと慎重にコトを
 運んだ方がええんちゃうかなって今でも思っとるし。
 けど、それはゲオルグくんもいっしょやろ?」

「まあそうなんだけど、それについてはもう考えないことにしたよ」

はやての問いかけに答えると、ゲオルグは装甲車の小さな窓から
外の景色に目をやった。
赤茶けた土に覆われた荒涼とした大地が延々と続く光景を見ながら
ゲオルグは小さくため息をついた。
そしてはやての方に顔を向けて話を続けた。

「作戦計画が大体固まってきたころにさ、2人で修正案を作ったじゃない」

「大型の魔導砲を使うやつやろ? アレ、却下されたやん」

はやては苦虫をかみつぶしたような渋い表情で吐き捨てるように言った。


ゲオルグとはやては制圧作戦の開始前に魔導砲による砲撃を実施することで
武装集団の反撃能力を奪ってから部隊を突入させるという作戦の修正案を
少将に対して提出していた。
だが、その修正案は武装集団が本拠地としている遺跡が文化遺産であるために
極力破壊を避ける必要があるという理由で却下されていた。


ゲオルグは怒りを露わにするはやてをなだめるようにその肩をポンと叩いた。

「まあまあ。 少将の言うことにも一理あるっていうのははやても
 判ってるんでしょ?」

「そらそうやけどさぁ・・・」

なおも不機嫌な表情で膝を揺らすはやてをゲオルグは苦笑しながら見ていたが、
ふいに真剣な表情を浮かべた。

「実はさ、僕、あの作戦案を持ってきてるんだよね」

ゲオルグがそう言った瞬間、はやての貧乏ゆすりが止まってゲオルグの
顔をまじまじ
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