暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos50-B束の間の奇跡/家族は巡り合う〜Testarossa Family〜
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ったところでスピードを落として、そして降下して来た。

「おーい、ルシルー! おーい!」

アリシアが両手を振ってぴょんぴょん飛び跳ねて、ルシルにここだと合図。そんなルシルは「見えているよ」と苦笑しながらトンッと地面に降り立った。私が「どうしたの? ルシル」って声を掛けた中で、ここに来た理由を察した。ルシルの左手には1冊のハードカバーの本が。

「初めまして、フェイト、アリシア、アルフの友人であり同僚の、八神ルシリオン・セインテストです。ご歓談の中、お邪魔して申し訳ありません」

「いえいえ。私はリニスと申します。で、こちらがプレシア・テスタロッサです。まあまあ、これはまた可愛らしいお嬢さんが。あなたも、フェイト達のお友達ですか?」

「「ぷっ」」

リニスが挨拶したルシルに向かってそう言うと、アリシアとアルフが吹き出した。リニスがその2人の様子に小首を傾げている中、「リニス。この子、男の子よ」って母さんが一発でルシルを男の子だって見破った。

「え? 男の子・・・? そうなんですか?」

「・・・はい。生物学上では俺は男です」

ルシルが言いづらそうに自分の性別を答えると「ご、ごめんなさい! てっきり女の子だと・・・」リニスが慌てて頭を下げて謝った。そこにアルフと一緒に笑い声をあげていたアリシアが「しょうがないよ、リニス。誰が見たって女の子だもん」ってルシルにトドメを刺した。ずーんと肩を落としたルシルは「やっぱり髪か、髪の長さがダメなのか?」って後ろ髪に触れた。

「んー・・・顔立ちじゃない?」

「ア、 アリシア! こら!」

容赦なくルシルの精神にダメージを与えるアリシアを注意するリニス。私はすぐに話題を変えようと「ルシル、ソレ、手に持ってる物」って指さす。するとルシルは「シャルの提案だ。アルバム、あった方が良いだろ?」持っていたアルバムを私に手渡した。

「うん、ありがとう。持って来てくれて。でも大丈夫なの? カートリッジの稼働確認とか・・・」

「ああ、ベルカ式組の確認は終わった。あとは君たちミッド式組だ。ま、ゆっくりと話すといいよ、ご家族と。それくらいは許される」

そう言って微笑むルシル。私はふと、ルシルにごめんなさい、って思った。ルシルだって家族を亡くしているのに、私たちにだけこんな幸せな奇跡が起きて。そんな思いが顔に出ちゃったみたいで、「気にしないでいいさ。俺は踏ん切りがついてる」って微笑みを絶やさなかった。

「では俺はこれで失礼します」

そうお辞儀したルシルはまたすごい速さで帰って行った。私とアリシアとアルフは、アルバムを届けてくれたルシルに「ありがとう!」お礼を言って、そしてまた母さん達と話をする。今度はアルバムをみんなで眺めながら。
なのは達の写真を見せて友達だ
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