第一章
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クラーケン
北欧にはある怪物の言い伝えがある。
その怪物の名前をクラーケンという、海にいる途方もなく巨大な怪物だ。
その大きさは島に匹敵するという、そしてその怪物について北欧の船乗り達は色々と話している。
どれだけの大きさなのか、そしてどれだけ食べるのか。
その中にはだ、こうした話もあった。
「クラーケンは何だ?」
「何だ?」
「何だとは?」
ノルウェーのある酒場で船乗り達が話をしていた、その中でだ。
濃い赤髭の頑丈そうな身体の男、ハンス=トムハウゼンがこう仲間達に言った。
「だからクラーケンって何なんだ?」
「クラーケンはクラーケンだろ」
これが仲間の一人の返答だった、彼は木の大きなジョッキでビールを飲みつつ言った。
「それは」
「だから何だよ、蛸か?」
トムハウゼンはここで具体的に言った。
「烏賊か?それとも鯨か?」
「ああ、そういう意味か」
「どういう種類か、か」
「海にいるやつだからな」
それでというのだ。
「やっぱり海にいる生きものだろ」
「まあそうだな」
その仲間もトムハウゼンの話を理解して頷いた。
「それは確かだな」
「じゃあ何だ?」
「どんな生きものがか」
「大きいことも洒落にならない位食うのも確かだよ」
このことはわかった、しかしというのだ。
「具体的に何かっていうとな」
「蛸だろ」
「いや、烏賊だろ」
仲間のうち二人がこう言った。
「脚があるっていうしな」
「それでだろ」
彼等はこう言うのだった。
「蛸じゃないのか?」
「それか烏賊か」
「どっちかだろ」
「そうじゃないのか?」
「いや、鮫じゃないのか?」
こう言う者も出て来た。
「馬鹿でかいな」
「鮫か?」
「魚か?」
「鮫もでかいからな」
それで、というのだ。
「あれじゃないのか?」
「それを言うなら鯨だろ」
別の漁師はこの生きものを出した。
「海にいるのならこれが一番大きいからな」
「確かに鯨は大きいな」
「鮫よりもな」
「勿論蛸や烏賊よりもな」
「ずっとな」
他の仲間達も頷いた、鯨という説に。
「じゃあ鯨か?」
「それか?」
「それかシー=サーペントか」
「昔いたっていうl恐竜か」
「そういうのかもな」
自然とこうした生きものの名前も出て来た。
そしてだ、トムハウゼンはここでまた言った。
「色々そうじゃないかっていう生きものはいてもわからないよな」
「ああ、具体的に何かっていうとな」
「わからないな」
「そうだろ。俺が気になっているのはそこなんだよ」
クラーケンが一体dぽういった生きものかというのだ。
「それなんだよ」
「そう言われるとな」
「本当にわからないな
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